携帯小説
1.タイトル
2.あらすじ
3.面白かったと思う部分、登場人物、ストーリーなど、井上輔がなぜおすすめしたいと思ったかを描く。
■異世界のんびり農家
現代で十年ほど闘病した後に死んだ主人公だが、異世界で若返って蘇生。闘病中の主人公の心の支えはアイドルが農業をするTV番組。異世界での第二の人生、農業をやってみようと思った。よくある異世界転移、内政もの?です。
※以降ネタバレ有
健康な病気にならない体に万能農具だけ持たされ人のいない場所で農業がしたいと願い異世界に送られる。万能農具で狩りをし真っ黒な犬と出会い畑作業をして料理する。子犬が生まれ、探検し、木の上に家をたてクモを仲間にいれ、村の警備、畑を強化。冬の防寒対策をする。春になり畑にトマト、ジャガイモ、キャベツ、ほうれん草を植え、ザブトンが子蜘蛛を産んだ。クロイチ、クロニ、クロサン、クロヨンがパートナー探しに出掛ける。俺の活動は畑の世話と収穫クロたちの狩ってきた獲物の処理、水路作り。ザブトンが布を作る。クロイチからクロヨンがパートナーを連れて帰ってくる。それぞれの住む小屋を作る。畑を拡張する。ユキたちメス犬4匹が出産ラッシュを迎える。クロの新しい子供に4匹に名前をつけた.クロゴ、クロロク、クロナナ、クロハチ。エリスとクロヨンの子の中の真っ白な子にフブキと名付ける。銀髪の少女ルールーシー=ルーを保護する。吸血鬼らしい。塩、服の作り方を教わる。魔法も教わるが俺に魔法の才能はないらしい。春になり果実リンゴ、なし、みかん、オレンジ柿、桃。ブドウ、パイナップル、バナナ、さくらんぼ、栗エリアを作る。お茶を作る。ザブトンの子供たちがパートナー探しに旅立つ。クロイチの子供たちがパートナー探しに出掛ける。犬エリアに新しい家を建設する。天使ティアを捕獲。同居することに。クロイチたちの子供が戻り始める。パートナーを3匹連れ帰ったをマサユキと命名。ティアが七人のハイエルフ、リア、リース、りり、リーフ、リコット、リゼ、リタを連れ帰った。七人用の家を作る。エルフのお願いで鍛冶場を作る。新畑エリアを拡張。リバーシとチェスを作る。ティアがトイレ清掃用スライムを連れてくる。ザブトンの子供たちが旅立つ。クロの子供たちがパートナー探しに旅立つ。ザブトンが蜂を捕獲してきた。水路が完成。風呂小屋が完成。風呂を作る。クロの子供たちの帰還。エルフのラファ、ラーサ、ラーシャ、ラル、ラミを連れて。ログハウスが完成。村長の家が完成。作業小屋、乾燥小屋、燻製小屋が建築される。春、ワイバーン襲来。槍ニ投げで仕留めた。美味しく頂く。新畑エリアでワイン用畑を作成。調味料、オリーブ畑も作成。蜂の巣からハチミツを確保。ラーシャが樽を制作。春の風物詩ザブトンの子供たちの旅立ち、クロたちの角の生え変わり、パートナー探しが始まる。ため池の改良。リーフとラーサとクロの子供たち10頭で肺エルフたちに移住を誘う一団を派遣。ログハウスも建設。酒用の葡萄を収穫ワイン作りに挑戦。酒用の葡萄畑を継続作成。小麦、大豆、稲、トウモロコシ、ニンジン、ジャガイモ、大根、ニンニクタマネギを収穫。ザブトンの子供たちにはトマト、キャベツ、カボチャ、きゅうり、ナス果実系の収穫を任せる。俺はほうれん草、サトウキビ、お茶、を収穫後、アブラナを収穫し油を確保。今年のクロたちの出産は半数程度だった。犬エリアの拡張と長屋を作る。ハイエルフを探しに出ていた、リーフ、ラーサクロたちの子供が帰ってきた。8グループ42人のハイエルフを同行。家の建築が急ぎ行われる。というように初めは1人からはじまった村が充実し住人が増えて色んな出来事が起きて楽しい。
■転生したらスライムだった件
突然路上で通り魔に刺されて死んでしまった、37歳のナイスガイ。意識が戻って自分の身体を確かめたら、スライムになっていた!え?・・・え?何でスライムなんだよ!!などと言いながらも、日々を楽しくスライムライフ。出来る事も増えて、下僕も増えて。ゆくゆくは魔王でも目指しちゃおうかな?そんな、どこかずれた天然主人公の異世界スライムライフです。
※以降ネタバレ有
転生して スライムになった。触覚を頼りに移動。暴風竜ヴェルドラに出会い、『捕食者』で吸収。暴風竜ヴェルドラの消滅が確認され、世界に激震がはしる。スライムは戦う方法を考える。目立った草や鉱物を捕食する。ヒポクテ草は回復薬に魔鉱石は柔軟な金属の素材となる。地底湖にてウォーターカッターの練習、「水流移動」を獲得。一週間の修行の成果で「水刃」を獲得。「水圧推進」「水流移動」「水刃」が「水操作」へと進化した。転生から120日洞窟の外の世界に出るために入口に向かう。大蛇に出会う。水刃を飛ばし斬首。一撃だった。「熱源感知」「毒霧吐息」黒蛇への擬態化能力を手に入れる。擬態をすると体積が増え獲得スキルは擬態しなくても使用可能。ムカデの化け物、大きな蜘蛛、吸血蝙蝠、甲殻トカゲに遭遇水刃一撃で仕留める。ムカデから「麻痺吐息」蜘蛛から「粘糸、鋼糸」蝙蝠から「吸血、超音波」トカゲから「身体装甲」をそれぞれ擬態を入手。地上に出る。洞窟は森の中にあった。それぞれスキルを試したが黒蛇の「毒霧吐息」は相手をドロドロに溶かした。射程は大蛇状態で7~10m擬態しないと1m程度だった。「熱源感知」は素晴らしい。「魔力感知」を併せると不意打ちはほぼ防げる。ムカデの射程は黒蛇と同程度。スライム状態で使用すると1m不意打ちで「麻痺ブレス」はありかも。「鋼糸」は今後の課題。コウモリの「超音波」からの発声方法開発に成功。魔物集団の接近を感知。ゴブリン30体程。剣、盾、石斧、弓装備。リーダーであろう一体がゴブリンの村に泊めてくれるらしい。近隣の魔物がこの地にちょっかいを出すようになったらしい。狼族が100匹ほど攻めてくるらしい。助けてほしいと懇願される。柵と入口に粘糸を張ることで防御を固める。水刃で牙狼族のボスの首を刎ねた。そして牙狼族に服従か死かの決断を逼る。牙狼族のボスを捕食した。擬態牙狼を獲得。スキル「超嗅覚・思念伝達・威圧」を獲得。従うか立ち去れと命令すると「従います」と返事が来た。一晩考えてゴブリンに牙狼の面倒を見させる作戦だ。ゴブリンと牙狼を2人1組にした。名前がないと不便なのでそれぞれに名前をつけることに。ゴブリン全員と嵐牙まで名付けた時、「体内の名素残量が一定値を割り込んだ。と完全回復予測時間は3日後です」と脳内アナウンスが流れる。魔物に名付けるには魔素を消費するのではないだろうか。3日後、目覚めると雄ゴブリンはホブゴブリンに雌ゴブリンはゴブリナになっていた。牙狼族は嵐牙狼族へと種族進化したらしい。皆を集めてルールを発表。1人間を襲わない2仲間内で争わない3他種族を見下さない。村の警戒は嵐牙狼族の余りの者に任せる。リグルドをゴブリン・ロ―ドに任命。衣服や家はドワーフ族に頼ることになった。ドワーフの住む所は結構な大きさの街であるらしい。リグル筆頭に計5組とランガと俺(スライム)だ。3日後、武装国家ドワルゴンに到着。門前に審査待ちの行列ができている。ゴブタとスライムの二人で並んでいると「魔物が並んでるぜ。殺してもいいんじゃね」「場所と荷物を譲りなら見逃してやる」と二人の冒険者が言った。剣士と盗賊系の二人にに魔法使いか僧侶と大柄な戦士。「順番は守れよ」と告げると武器を構える2人組。黒嵐星狼に擬態。攻撃を受けても無傷、遠吠え一発で周り全員ダウン。警備隊の詰所に連行される。鉱山でアーマーサウルスが出たらしい。怪我の具合が酷いやつがいるらしい。けが人は6人、回復薬を渡す。ゴブリン村の復興、衣類や武器の調達指導者の派遣依頼などの事情を話す。弱いはずのスライムが力を得て、どんな旅を始めるのか。村の急速な発展の様子など楽しみが満載。
■とんでもスキルで異世界放浪メシ
異世界召喚に巻き込まれた俺、向田剛志。27歳ステータスの鑑定で俺以外の3人の召喚者は職業欄にに『異世界からやって来た勇者』となってるのに、俺だけ『巻き込まれた異世界人』となっていた。スキルも聖剣術とか聖槍とか聖魔法とかいろいろすごいのがそろっている。それなのに俺のは固有スキルで『ネットスーパー』だけだった。戦闘スキルじゃない俺はすぐさま役立たず的な扱いに。しかも、召喚した国レイセヘルの王様の言い分がいかにも胡散臭い。ネット小説を読むのを趣味にしていた俺は、諸々を総合した結果『ダメだ。これはあかんタイプの異世界召喚だ。』という結論に至った。そして俺は召喚されたその日のうちに何やかや言いくるめて城から逃げ出したのだった。
※以降ネタバレ有
異世界転生に巻き込まれた。他の3人が聖剣術とか聖槍術とか聖魔法なんて能力をもらう中、俺のスキルはネットスーパー。元の世界に帰る方法は魔王なら知っているはずだという。胡散臭い。能力がないとわかり2.3カ月のの間暮らしていけるだけのお金をもらい王都を逃げ出した。乗合馬車に乗り、国境沿いの村を目指す。国境沿いの村から隣国フェーネン王国までは馬車が中止されたため、冒険者ギルドで徒歩での護衛任務を募集。報酬は金貨8枚と食事付き。翌日、依頼を受けてくれたÇランク冒険者パーティー「アイアン・ウィル」リーダーのヴェルナー、剣士ヴィンセント、斥候リタ、魔法使いラモン、回復役フランカの4人。旅の途中、食事をしていると「我にもそれを食わせろ」とフェンリルが登場。7~8kgの生姜焼きを食い尽くしたフェンリルが「契約してやろう」と言う。アイアンウィルのメンバーが「何でもいいから契約しろ」と言うので契約する。ステータスの「契約魔獣」にフェンリルが追加された。名前を付けろというので「フェル」とする。フェーネン王国の国境近くでフェルが「肉が食いたい」と言うので自分で狩りに行かせる。ロックバードを狩ってきた。解体できないのでアイアンウィルに肉以外の素材と引き換えに解体してもらう。アイアンウィルが食べた以外は全てウィルが食べた。国境の砦まで来るとヴェルナーさんが先に話しに行ってくれた。フェーネン王国第四騎士団長のエドガー・ヴォルゴードにフェルが獣魔で危害を加えないことを報告。入国を許可される。国境の街ファリエールに向かう。ファリエールに到着「。リンデル辺境伯の使いエドモンが辺境伯が会いたいと言っているらしいが無視。商人ギルドに向かう。商人ギルドのアイアンランクに登録。翌日ネットスーパーで購入した塩と胡椒を販売、元値銀貨1枚が金貨17枚になった。次は冒険者ギルドに向かう。キアユ草採取依頼を受ける。フェルの狩りと薬草採取。キアユ草×5が8組銀貨8枚。マージュ草×5が1組で銀貨1枚銅貨3枚。魔物たちは解体を依頼した。翌々日冒険者ギルドに解体を依頼していた肉を受け取りに行く。ついでに素材も買い取ってもらう。全部で金貨204枚になった。そしてファリエールの街を後にする。道中オークの肉をポークチャップに料理してみた。美味い。魔物の素材で儲かったのでフェルにもご褒美でネットスーパーの肉。寝具も調達した。ネットスーパーで食材を買い料理する。好評だ。食事に満足したフェルが狩りに出掛け、翌朝大量の魔物を狩ってくる。とりあえずアイテムボックスに入れておく。ファイアーボールの練習を始める。フェルと念和が出来るようになった。レーデン村に到着。フェルはグレートウルフと偽った。地図はないと言われラウテル街を紹介される。4日ほどの距離にあるらしい。ラウテルに到着。本屋に地図はないと聴き、図書館で地図を作製することに。門番にエルミラの宿を紹介される。図書館でも地図は作れず、酒場に望みを託す。酒場の情報からエルマン王国かレオンハルト王国の二択になった。銀貨8枚で地図を手に入れた。銀貨1枚で冒険者ギルドや商人ギルドで売ってるらしい。途中の湖で魚を捕る。フェルの雷魔法で大漁だ。夜になって寝床を用意していると1匹のスライムが足元にいた。鑑定すると生まれて3日のベビースライムだった。ネットで買ったものから出たゴミを食べさせる。異世界のゴミ処理が終了した。いつの間にか従魔になっていた。名前をスイとした。自由気ままなフェルのわがままとスキルを生かしたとんでも異世界生活が楽しい。
■蜘蛛ですが、なにか?
勇者と魔王が争い続ける世界。勇者と魔王の壮絶な魔法は、世界を超えてとある高校の教室で爆発してしまう。その爆発で死んでしまった生徒たちは、異世界で転生することになる。クラスの中でも最底辺に位置する主人公は、よりにもよって蜘蛛の魔物として生まれ変わってしまう。ただ、異常な程に強い精神力で現状を受け止め、割とあっさり順応してしまう。これは蜘蛛の魔物になってしまった主人公が、なんやかんやサバイバルして生きていく物語である。
※以降ネタバレ有
魔王と勇者の戦いの影響で学校が爆発。卵から出ると蜘蛛がうようよいた。蜘蛛に転生してしまった主人公。大蜘蛛出現周りの子蜘蛛を食べ始める姿を見て逃走。人の足跡から見て身長1㎡くらい。持ってたスキルポイント100で鑑定を取得。とりあえず人間の足跡の向かう先と逆方向に移動。前方にモンスターハザード、後ろは片や蜘蛛地獄、片や人間。もう1本の道を発見。人の足跡がその通路から出てきている通路だ。とりあえずダンジョン出口を目指す。適当に歩きまわっていたら不意のエンカウントでデッドエンドの未来しか見えない。このダンジョンからの脱出は諦めた。お腹がへってきた。蜘蛛の巣を張り獲物を待つことにした。虹色のカエルが巣にかかる。カエルの酸攻撃を受け「スキル酸耐性LV1を獲得」さらに追撃を受け「毒耐性LV2」にLVアップ。早速実食。我慢できなくはないが美味しくはない。「酸耐性がLV2」に上がった。腹は満たされた。鑑定がLV2に上がった。自分に鑑定をかける。「スモールレッサータラテクト名前なし」「エルローフロッグ」カエルが巣にかかる。噛みついていると「毒牙LV1が毒牙LV2になりました」とスキルLVアップ。「スモールレッサータラテクトLV1がLV2」に上がる。同時に「各種各種基礎能力が上昇」「スキルレベルアップボーナスを取得」スキル「毒耐性がLV2がLV3になりました。」スキル「蜘蛛糸LV3がLV4」になりました。「スキルポイントを入手しました」レベルアップすると体力完全回復するらしい。自分の巣の中に自分以外のスモールタラテクトが侵入した。敵は勢い良く飛び出した。私はバックステップすると同時に空中に居る敵に向かって糸を発射、空中で糸にあっさり捕まる兄弟。地面に墜落した兄弟に毒牙で噛みつきスキル「毒牙LV2がLV3」にレベルアップ。称号「悪食」を獲得しました。称号「悪食」を獲得。スキル「毒耐性LV1」「腐蝕耐性LV1」を獲得「毒耐性LV1」が「毒耐性LV3」に統合されました。称号「血縁喰らい」を獲得。称号「血縁喰らい」の効果によりスキル「禁忌LV1」「外道魔法LV1」を獲得。「蜘蛛糸LV5」が「蜘蛛糸LV6」に上がりました。今はレベル5「毒牙LV4」「蜘蛛LV6」「鑑定LV2」「禁忌LV1」「外道魔法LV1」「毒耐性LV5」「酸耐性LV2」「腐蝕耐性LV1」「石化耐性LV1」だ。蜘蛛の巣に人が乱入。炎で巣を焼き払われる。即刻離脱。スキル「鑑定LV2」が「鑑定LV3」になりました。自分を鑑定、「スモールレッサータラテクト LV5 名前なし」スモールレッサータラテクトってこのダンジョンの中だとどのくらいの強さなんだろうと考えると「スモールレッサータラテクト 劣化タラテクト種の幼体」と鑑定結果が出た。エルローフロッグLV3を発見&戦闘。討伐。スキル「苦痛耐性LV1」を獲得。エルローバジリスクLV4が巣にかかる。倒す。スモールレッサータラテクトがLV6になりました。各種基礎能力値が上昇しました。スキル熟練度レベルアップボーナスを取得。スキル「毒牙LV4」が「毒牙LV5」スキル「石化耐性LV1」が「石化耐性LV2」になりました。スキルポイントを入手しました。
おかしなテンションの主人公の内面を追いながら洞窟探検。パニック映画を観てる気分。
■デスマーチからはじまる異世界狂想曲
アラサープログラマー鈴木一郎は、普段着のままレベル1で、突然異世界にいる自分に気付く。3回だけ使える使い捨て大魔法「流星雨」によって棚ボタで高いレベルと財宝を手に入れた彼のする事は、異世界「観光」?3人の獣娘、紫髪美幼女&黒髪美少女、無口エルフ&奇行金髪美女達と旅する日々と様々な人々との出会いを描く物語です。
※以降ネタバレ有
スマートフォン用のゲームアプリやPC用のブラウザゲームなどを大手から依頼されて作成する下請け外注会社のプログラマーサトゥ-こと鈴木は納期に間に合わせるため休日出勤していた。翌朝までチェックは続きプログラムは納品された。机の下で30時間ぶりの安眠についた。
明晰夢という言葉をご存じだろうか?自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことだ。俺は今荒野にいる。なぜ夢だとわかるのか?さきほど机の下で眠りについたのを覚えているのが1つ。もう1つは視界の右下にある4つの「アイコン」と右上にある「メニュー」と書いたガジェットが見えるところだ。
ステータスを見るとレベル1、HP、MP能力値の各種は全10ポイント。これはボーナスポイントを割り振らない場合の基本ステータス値。マップの上半分が赤しか見えない。敵多過ぎ。ちらっと右下の「流星雨」アイコンを見る。これは「流星雨」で殲滅しろという天の意思では!
押しちゃう?
→はい
本名 鈴木一郎 キャラ名 サトゥーの異世界生活はこんな感じで始まった。
流星雨が地上を抉った余波と思われる土埃の波に覆われる直前の激痛で2時間ほど気絶していたらしい。時間は表示しっぱなしのメニューに表示されていた。思考操作でログをみると「サトゥーはレベルが上がった」がいやがらせのように並んでいる。ログをバックスクロールさせていく。
スキル「召喚魔法:異界」を取得した。召喚魔法「流星雨」を取得した。このメッセージのあとに「レベルが上がった」が続いている。時刻表示付きのメッセージなので順番は間違っていない。「スキル取得」「スキルに属する魔法を取得」「レベルアップ」の順になっている。「設定」を開いて基本表示に「ログ」画面を追加する。ステータスはかなり変化している。何せレベルが1から一気に310まであがったのだから。筋力や知能などの能力値も99でカンストしている。体力やMP、スタミナも仲良く3100になっている。この辺りの値はレヴェル毎に10固定で上昇する仕様。
さらにスキルポイントも3100になっている。さっきスキルを取得したと出てたから割り振れるか?
スキルの欄をちゃんと見ると先ほどの2つのスキルがグレーで表示されている。「術理魔法:異界LV0」となっているのでタップしてみる。LVの所をタップすると「割り当てるスキルポイントを指定してください(1-10)」となっていたので10まで一気に居れてみる。
特に効果音もなく表記が白文字で「術理魔法:異界LV10に変わった。スキルポイント残り3090。魔法の欄を見ると「全マップ探査」が白文字に、「流星雨」がグレーのままだった。スキルポイントを割り振ってスキルレベルを上げないと、魔法を使える条件を満たさないということらしい。「召喚魔法:異界LV0」も10ポイント割り振っておく。
おもむろに「流星雨」をタップする。すごい勢いで体から血が引いていくような感じがする。MPゲージがググ~っと減っていく。降ってくる隕石は先ほどの100倍近い大きさがある。理由を追求する前に本能的に走る。もちろん隕石の落ちる方と逆側にだ!
最初の一撃で大量の経験値を稼いだ主人公のゆるい冒険が始まる。
■くまクマ熊ベアー
学校に行くこともなく、家に引きこもってVRMMOゲームをやる15歳の少女。大型アップデートが行われ、キャンペーンで譲渡不可のクマさん装備一式を当てる。(クマの着ぐるみ、クマさんパペット、クマさんの靴)さらにアンケートを答えてゲームを再開すると、手に入れたクマの着ぐるみの格好で知らない森の中。ここはどこ?神様からのメール?異世界?クマさん装備を付ければチート、脱げば運動不足の少女。クマの着ぐるみを着たユナの気のままの異世界冒険が始まる。
※以降ネタバレ有
待ちに待ったアップデートの日がやってきた。ワールド・ファンタジー・オンライン。世界初VRMMO、ファンタジーRPG。多種族、多種職業、多種スキル、幅広く遊べるゲーム。アップグレードキャンペーンで多くのプレゼントボックスから選んだ宝箱を開けると、
アイテム名 クマセット
右手 黒クマのてぶくろ(譲渡不可)
左手 白クマのてぶくろ(譲渡不可)
右足 黒クマの靴(譲渡不可)
左足 白クマの靴(譲渡不可)
服 白黒クマの服(リバーシブル機能あり、表と裏で色が違う。見た目着ぐるみ)
効果確認
黒クマのてぶくろ
攻撃の手袋、レべルが上がるにつれて威力アップ。
白クマのてぶくろ
防御の手袋、レベルが上がるにつれて防御アップ。
黒クマのくつ 白クマのくつ
使い手のレベルによって速度アップ。
使い手のレベルによって長時間歩いても疲れない。
黒クマの服(表)
使い手のレベルによって物理、魔法の耐性がアップ。
耐熱、耐寒付き
白クマの服(裏)
着ていると体力、魔力が自動回復する。
回復量は使い手のレベルに依存する。
耐熱、耐寒付き
装備するかどうかは後回しにする。
目を開けると知らない森の中だった。
装備がクマだった。さきほどキャンペーンでもらったクマ装備一式だ。
「とりあえず着替えよう」
装備の変更はマイホームじゃないとできない。アイテムボックスから転移アイテムを出そうとするがアイテムボックスが開かない。再ログインしようとアイテムボックスから転移アイテムを出そうとするがアイテムボックスが開かない。ログアウトしようとログアウト画面がでない。フレンド画面、マップ画面も出てこない。
最強クマさん装備の女の子の、ド派手な生活が面白い
■レベル1だけどユニークスキルで最強です
ブラック企業で過労死した佐藤亮太は異世界に転移して、レベルが1に固定される不遇を背負わされてしまう。レベルは上がらない一方でモンスターからその世界に存在しないはずのチートアイテムをドロップするという、彼だけのユニークスキルをもっていた。それを知った彼は能力アップアイテムでステータスMAXになって、更に自分にしか使えない武器やアイテムの数々を揃えていき、レベル1のまま能力も装備も最強になっていった。
※以降ネタバレ有
デュリン!楽し気な効果音が聞こえた。つんつん。むにむに。誰かに頬っぺたをつつかれた。
「人間・・・なのです?でもドロップしたものですし‥そっか人間型のお肉なのです。ちょっと捌いてみるです」
「ちょっと待った!」
慌てて起き上がると目の前にきょとんとしている女の子がいた。俺の前にしゃがんでいる、ちっちゃい女の子。身長は130センチくらい、手足がすらっとしてて、体重は多分片手で抱き上げられるくらい軽そうだ。なのに横にでっかいハンマーの様な武器が置かれている。2メートルは余裕である感じだ。
「人間がどうしてスライム。レアのスライムブロスからドロップしたです?」
「スライム?」
スライムが急に飛んだ。女の子に飛び掛かる。スライムが横から女の子に体当たりした。女の子はよろめいたが踏みとどまった。スライムは今度は真正面から女の子に突っ込んだ。
「ーなのです!」
それを待ってましたとばかりに女の子がハンマーを降り下ろした。ハンマーをスライムに叩き着けてースライムにジャストミートした。スライムが消滅した後にもやしが現れた。
「なんでもやし?」
「テルル地下一階のスライムドロップはもやしです。常識なのですよ?」
「いやそんな常識はない!」
「落ち着いたです?」
「あ、ああ‥ありがとう、もやしスープうまいよ」
その場で火を起こして、ドロップした1つまみのもやしをスープにして振舞ってくれた彼女に感謝した。
「えっと‥キミの名は?」
「エミリー・ブラウンって言うです」
「俺は佐藤亮太。とりあえずよろしく」
「ハロー‥ヨーダ?」
話がかみあわない。
「‥このもやしって、あのスライムから生まれた‥ドロップしたものなんだっけ」
「そうなのです」
「もやしってこういう風に作られるにおか?」
「もやしがっていうか‥全部そうですよ?」
とんでもない設定の世界に紛れ込んでしまった主人公の行く末やいかに。
■冒険家になろう!スキルボードでダンジョン攻略
存在感の薄い冒険家、空星晴輝が札幌の『ちかほ』に出来たダンジョンから帰宅すると、家の車庫がダンジョンに変化していた。ダンジョンの入り口に、石板のようなものを発見。もしかしてこれは、スキルボードか?晴輝はスキルボードを用いてダンジョンへ。ボードを駆使し、いずれランカーになって目立つ存在になる!ーーはずが、何故か仮面を被りジャガイモを背負った不審者に?
果たして彼は『マトモ』な人物としてダンジョンを攻略できるのか?
※以降ネタバレ有
札幌にある北海道最大のダンジョン、地下歩行空間通称「ちかほ」から出てきた男が、辺りを見回して小さくため息を吐き出した。「ちかほ」入口周辺には、アイドルの出待ちをするが如き女子たちが、鋭い目つきで入口を眺めている。にもかかわらず彼女たちの目に、この男の姿は映らない。
この男。存在感が薄すぎるのだ。
これはネットでも同じだ。冒険家御用達「冒険家になろう!」のサイトでも存在がない。どうやら、冒険家になったからといって目立てるわけではないらしい。
その男。空星晴輝の口からまた、重苦しいため息がもれた。‥家に帰ろう。
ダンジョンの存在が確認されたのは、今から5年ほど前のことだった。
それは突如世界に同時多発的に発生した。
ダンジョンが何故生まれたのか、どうやって発生するのか。そもそもダンジョンとは何なのか?
生き残った国々は総力を挙げ、現在進行形で解析を進めている。
日本も世界と同様の災禍に見舞われた。ダンジョン発生時のスタンビートを抑え込み現在一時の安寧を手にしている。
冒険家という国家資格が日本に誕生したのは、そんな混迷を極めた時期だった。
ダンジョンに潜ることで、これまでにない特殊な能力に目覚める者もいる。例えばある者は、剣圧を飛ばせる力を得た。またある者はダンジョンで発見される未知の素材やアイテムの性質を見抜く力を得た。今や冒険家は、日本の第四次産業としてその地位を確立させたのだった。
空星晴輝はダンジョンの探索の疲れを押して車を運転し、ド田舎にある自宅へと戻った。
空星ー空に浮かぶ星。実に綺麗な名字だ。
晴輝ー雲がなく輝いている。
そんな意味が込められた名前に文句はない。
ただ、その二つが組み合わさったせいで、小学校から空気と呼ばれ続けている。
ーとにかく空気の如き存在感にまでなってしまった晴輝は、1カ月前に印刷会社を退職して専業冒険家になった。
空気から抜け出して、無視出来ない存在感を手に入れるために!
本日の狩りの成果は一万円。
自宅前で車を止め、車庫のシャッターを挙げる。
「え?」
車一台分入る車庫の地面には、穴が開いていた。
車庫の入口から奥に向かって、階段が続いている。
おそらくダンジョンに間違いないだろう。
ダンジョン出現!これからどうするの?主人公に新たな選択肢が与えられる。新たな冒険の予感予感にワクワク。
■領民0人スタートの辺境領主様
戦争で活躍し孤児から救国の英雄となった主人公ディアスはその報酬として国の外れの外れ、最果てといっても過言ではない土地を領地として王から拝領する。いざその領地へと向かったディアスだったが、そこは人っ子一人居ないただっぴろいだけの草原で、領民がいないどころかディアスが住む家も無く、食料も無く、ディアスは呆然と立ち尽くすことになる。果たしてディアスは領主としてやっていけるのか、それ以前に何もない草原でどうやって生活するのか、生きて生活するのか、生きていくことはできるのか。前途多難な新米領主の日々を綴る剣と魔法の世界の物語。
※以降ネタバレ有
戦争で活躍し孤児から救国の英雄となったディアスはその報酬として国の外れの外れ、最果てといっても過言ではない土地を領地として王から拝領する。
いざその領地へと向かったディアスだったが、そこは人っ子一人居ないただっぴろいだけの草原で、領民がいないどころかディアスが住む家も無く、食料もなく、ディアスは茫然と草原に立ち尽くすことになる。
人の役に立つ仕事をするように。それが母の口癖で遺言。
弱い者を守れる男になれ。それが父の口癖で遺言。
10歳の時に流行り病で2人が死んでから25年、私は両親の遺言に従って二人に恥じることのないようにと必死に生きてきた。
自分と同じように流行り病で親を失った孤児達をまとめあげて街の清掃をして日銭を稼いだり、農作業の手伝いで僅かな食料を得たり、時には街の近くに現れたモンスターを狩り、報奨金を貰って生活の糧にしながら5年を生きた。
そうして15歳になって‥突然どうしてだか私が住む国と隣国との戦争が始まり、私の国は連戦連敗。
負けて負けて負け続けて、私が住んでいる街の近くまで敵兵が押し寄せて来て‥そうして隣国兵は私の住む街の目の前で略奪行為をし始めた。
見るに堪えないその行為を前にして私は、両親の遺言を守るために‥そんな隣国兵から皆を守るために戦おうと志願兵となり‥そこから延々と戦場で戦い続けて20年。
私が35歳になった年の冬の終わりのある日に何やら隣国との交渉が有利に終わったとかで国からの終戦宣告が出されて‥そして気づけば何故だか知らないが私は救国の英雄だのと言われる存在となってしまっていた。
色んな人に褒められて、褒められて褒められ続けて、挙句の果てにはこの国で一番偉いという王様にまで褒められることとなって、王様は私のことを難しい言葉で褒めそやし、私に領地を与えるとまで言い始めた。
兎に角領地に住んで領民たちを守り、領民たちから金を集めて王様に渡せば良いのだと王様の近くに立っていたお偉いさんの一人が丁寧に教えてくれた。
領地を貰ったならばすぐにでも領地に向かうのが常識なのが常識なのだそうで、私は半ば無理やりに役人たちの手によって馬車に押し込まれて、何の準備もできないままに王都を離れることとなった。
やたらと私を毛嫌いする役人達に見張られながら1カ月。
厠と寝る時間以外は馬車を出ることを許されない退屈な生活が続いて‥ある日の午後にようやく御者が目的地に着いたとの声を上げる。領地の中心らしい場所で、両親譲りの金髪を掻きながらぼーっと立ち尽くし‥辺りを見渡して何処から何処までが私の領地だとの役人の説明を受ける。役人の指し示す先は緑の草が生え揃う草原で、その指はすぅーっと横に滑って‥その先も草原。目の前に広がる草原と草原と、そして草原が私の領地なのだそうだ。
領民の姿どころか、この草原には人工物すら見当たらない。
草原に一人残されたディアスの運命やいかに。
■サモナーさんが行く
リハビリがてらで。説明を碌に読まずにゲーム始める人っていますか?私はそんな傾向が強いです。βテストを終え本スタートを開始したVRMMOに参加した主人公。ただ流されるままにゲーム世界をへろへろと楽しむことに。そんなゲーマーのプレイレポートです。
※以降ネタバレ有
出会いの酒場でパーティメンバー募集掲示板を覗くと唸るしかなかった。
申し込みはまたも断られていた。
メンバー募集中のパーティに一向に受け入れてもらえない。
自分のほうも目㎜バー募集を当然しているけど、こっちも書き込みは一切無い。
お断りされている理由を明示してくれた方が親切ってものなんだが。
オレが選択したのは召喚術師、即ちサモナーという職業である。
種族は人間で、ステータスはやや知力と精神力高めの平均的なものだ、と思う。
今更ながらアナザーリンク・サーガ・オンラインβテスト版で条件が合わない理由を調べてみる。
あからさまに地雷職であると結論付けられていた。
始まりの町レムトの出会いの酒場を出ると冒険者ギルドを覗いてみる。
「すみません、私はサモナーな上に冒険者駆け出しで色々と助言が欲しいんだけど‥」
ダメ元でNPC職員のおっちゃんに聞いてみる。
「冒険者駆け出しかい?まあ時間はかかるだろうがアドバイスをくれる奴ならいるぜ?」
窓口のおっちゃんが何やら布切れに書き込んでいる。
場所のメモを受け取ると始まりの町「レムト」城外の地図のようだ。さっさと町の外に出よう。町の中央は屋台のようにいくつかの露店が並んでいる。
露店の一つでポーションを5つ買い込み、携帯食も2つ補充する。近場で狩りを兼ねて、メモの場所を目指して町を出るとしよう。
腰に挿した唯一の武器である初心者のロッドを右手に持つ。
そしてサモナー特有のスキルを使う。
「サモン・モンスター!」
詠唱が終わると、召喚できるモンスターのリストが別の仮想ウィンドウで表示された。
もっともそのリストには一行しかない。リストの一番上の行を選択する。
「ウルフLV1、個体名ヴォルフを召喚しますか?」当然「YAS」を選択すると、目の前の地面に魔法陣が現れた。その中心に薄い影が出現し、徐々にその姿を濃くしていく。
昨日も召喚した茶色の毛並みを持つ狼だ。固有名称をつけるか選択肢があったので「ヴォルフ」と名前をつけていた。名前の由来はウルフのドイツ語読みなのは安直だが。
そういえば。自動的にセットされていたスキルを見てみる。スキル一覧、と念じると別窓で表示が現れた。
杖LV1、召喚魔法LV1、風魔法LV1、錬金術LV1、連携LV1、鑑定LV1、識別LV1、となっている。一番下にボーナスポイント残19と表示されていた。
召喚師の現状に不安。ステータスの豊富さにさに今後の伸びに期待♬
まのわ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる
気が付くとそこは異世界だった。人気ゲームの舞台に近しい世界で少女『風音』が魔物のスキルを手にいれて戦っていくハイパーラーニングストーリー。
気がつけば街を救い、浮気をバラし、幽霊に出会い、お姫様を助け、温泉に入り、温泉に入り、温泉に入る毎日を過ごす風音一行。
迫り来る悪魔との戦いの中で自らの暗黒面と遭遇した風音はやがてデカいにゃんこと再会する運命にあった。
※以降ネタバレ有
突然広がる世界。開けた草原。朽ちた遺跡の跡。流れる小川。遠く見える山脈。
まるで「幻想伝記ゼクシアハーツ」のイオタ地方のようだ‥と茫然と思った。
「どこかな。ここは?」
そして再度疑問に思う。この見覚えのない場所はどこだと。
否。
「見覚えはある‥よね。あれはシグナ遺跡‥で。あの峰はジリティア山脈で‥川はルール川につながって」
そんな言葉がすらすらと口からでるのだから少女にとってここは知らない場所であるはずがなかった。ただ自分がここにいるということがあり得なかっただけだ。なぜならば
「ここ、ゲームの中‥なの?」
漠然とした疑問に対する答えを口にする。それはあり得ない事実。
「なんなの、いったい?」
少女は慌てて周りを見渡す。ここは間違いなく先程までいた自宅の、自分の部屋ではない。
「私、さっきまで部屋にいたよね?こんな場所に来た覚えなんてないし」
そして少女は遺跡を見る。石畳のコケのびっちりと生えた、もう長い年月人の手の入っていない遺跡。それだけならまだ良い。実は自室でゲームをしていたのは少女の勘違いで、海外旅行でモヘンジョダロ遺跡の前で頭でも打って記憶が混濁しているだけかもしれない。
ただし、それはこの宙に浮かぶ石ころたちがなければの話だ。
ゲームスタート時のチュートリアルクエストの舞台であるシグナ遺跡は、浮遊船の材料となる浮遊石を造るための施設だったと説明されている。
だったというのは現在は廃棄されているためで、プレイヤーは街に流れ着いた移民で、冒険者ギルドに登録後、最初のクエストとしてここで浮遊石を拾ってくるように指示されることとなる。
クエストの受け方、アイテムの購入、装備や使用、フィールドの散策、モンスターとの戦闘や逃走の基本を学べるまさしくチュートリアル用のクエストなのだが。
少女は今の状況を思い直す。ここはチュートリアルクエストの終点だ。ここはゲーム最初のボス戦の舞台だ。
周囲から獣の気配が満ちてくる。無数の息遣い。人ではない何かのにじり寄る足音。
「コマンドオープン」
とっさに出た言葉に従って、少女の周囲に幾つかのウィンドウが表示される。
「出たジャン。やっぱこれゲームか」
まだ実感はわかないが、これがゲームのなかであると確信した少女ステータスの項目を開く。
「由比浜 風音、私の名前だ」
(実名プレイなどしたことはないんだけどなー)
そう、どこか惚けたことを思いながら、由比浜 風音という名の少女は他のパラメーターを確認する。
風音の奇妙な冒険がここに始まる。どうなっちゃうの?これからがお楽しみ♪
■魔石グルメ
女神のお陰で貴族に転生!順調のはずがーー貰ったスキル【毒素分解EX】が地味すぎて、家では馬鹿にされる日々…。しかしある時、そのスキルで魔物の魔石を食べて能力を吸収できること、自分が隣国の王子であることを知らされる!王城で待っていたのは、豊富な魔石で実験・訓練し、最強の力を引き出して引き出してくれる環境でーー遂には、伝説の魔物デュラハンの能力までわが物に!積極的な許嫁やドジっ子女騎士に囲まれ、少年が「王」になるための新生活が始まる!!
※以降ネタバレ有
「お主が分かる場所でガチャを回すか、分からない場所で回されるかの違いだけじゃ」
神は言った、前と同じだろと。
「一応聞きたいんですけど、じゃあ、俺の前世もそうして誰かがガチャみたく回したと?」
「この私じゃない別の神が回したそ」
「その時の結果は?」
「コモン、いわゆるノーマルじゃ」
「お主の場合死因がちょっと可哀そうじゃからな、レア以上確定ガチャを回すのじゃから感謝するのだぞ」
ドンッ
神が服の中から出したのは、ゲームセンターとかによくわる普通のガチャマシン。
「おおおおお!金色のカプセルだ!!」
パカッと、金色のカプセルを開ける。
「スーパーレアだ!」
書いてあった文字は何1つ想定していなかった。毒素分解EX‥なにコレ?
「うむ。すごく毒に強いぞ」
「そういえばオレが行くことになる世界って」
「正統派のファンタジー世界じゃ、お主に分かるやすく説明するとの」
窓から差し込む光にまぶしさを感じ意識が覚醒する。
ふと、目が覚めると、茶髪の綺麗な人が俺を抱きかかえていた。
「あぶ‥ばぁ!」
「はいはいお母様ですよアイン」
どうやら俺の名前はアインというらしい。それでこの綺麗な人は母、といったところだろう。
転生先はぱっと見豪華なお部屋でした。
「よしそれじゃあ情報を整理しよう」
俺がこの世界に転生してから4年が経った。
まず身体能力、これは確実にアドバンテージを貰ってると思う。
成長が周りより早いし運動能力も7歳とならかけっこをしても勝てること9も結構多い。」
あとは俺が待ちに待った魔法だ。
忍び込んだ書斎で読んだが、基本的に魔法には多くの属性が存在するが特別どの属性しか使えないなどの適正はないらしい。
いい環境で能力にも恵まれた主人公の話が始まる。毒素分解EXの真価やいかに!
■Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
「やってられるか!」5年間在籍したAランクパーティ『サンダーパイク』を、そんな一言で離脱した赤魔導士のユーク。『雑用係』『金食い虫』『器用貧乏』などと言われながらも頑張ってきた冒険者生活だったが、ついに堪忍袋の緒が切れたのだ。新たなパーティを探して冒険者ギルドに向かったユークの前に、かつての教え子であるマリナが現れる。勢いそのままにパーティに誘われ、女の子ばかりの駆け出しパーティに加入することになったユーク。ダンジョンを攻略するうちに判明するユークの実力。実は、ユークの振るう魔法とスキルは規格外の力を持っていた!一方その頃、ユークの強力なサポートを失った『サンダーパイク』は依頼の失敗が続き、新メンバーにも次々と逃げられる始末。追い詰められた彼らは『冒険配信』で有名になりつつあるユークをパーティに引き戻すことを画策する。追放系ではない離脱系主人公が幸せな結末を目指す冒険配信ファンタジー。
※以降ネタバレ有
「本日をもって、俺はこのパーティを抜けさせてもらう」
「一応、理由を聞こうか?ユーク」
「報酬の分配に関して不満がある。これについては何度も話しただろ?」
「僕たち冒険者はパーティを組んでいても、それぞれ個人だ。活躍に応じて報酬が増減するのは当たり前だろう?」
「そうだぞ、ユーク。お前全然戦闘もしないし、ちょこちょこアイテムを使うだけじゃないか。むしろ報酬があるだけありがたいとおもえねぇのか?」
サイモンに同意するのは、「戦士」バリーだ。
「’配信’の準備くらいじゃない?役立ってるのって。それだって誰でもできることだけどねーだけどねー」
酔っぱらってそう笑うのは魔法使いのジェミー。
「正当な報酬をエルには、正当な働きをしなくてはなりませんよ、ユーク。もっと努力してパーティに貢献すれば良いのです」
カミラ‥‥正論のように言ってるがな、俺のサポートを一番受けてるのは「僧侶」の君だと思うぞ。
「ウチを抜けてどうすんの?他でなんてやっていけないよ?今だって幼馴染のよしみで「サンダーパイク」においてあげてるだけなのに」
心底同情した目で俺を見るサイモン。雑用を押し付ける相手が居なくなって困る、程度の認識なのだろう。
「なら、ここで俺は抜けさせてもらう。じゃあな。」
こうして俺は、仕事を探して冒険者ギルドへと向かった。
「あら、ユークさん。こんにちは。今日はどうなさいましたか?」
カウンターに近づくと、受付嬢のママルさんが微笑んで迎えてくれた。
「仕事探しと求人登録に」
「求人登録?『サンダーパイク』に登録されていたはずでは?」
「昨日付けで脱退しましたので‥」
「いろいろありますからね。では、こちらの用紙に記入をお願いしますね」
「あー!先生だ!」
「フェルディオ先生!何してるの?」
「ん?おお、マリナじゃないか」
半年ほど前、新人に冒険者のイロハを教える『冒険者予備』で担当を受け持ったマリナに再開。新たなスタートが始まる。
■宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する
試しに買ってみた宝くじで40億円の高額当選を引き当てた一良。どこからか金の臭いを嗅ぎつけたハイエナ共から逃げるため、一良は先祖代々から伝わる古い屋敷に避難する。一良が避難先である屋敷の中を調べていると、とある一室が異世界と行き来できる空間であることを発見する。文化レベルや技術レベルがかなり低いとみられる異世界に、主人公は、時に品物を、時に技術を持ち込み、その世界で自分の価値を見出そうとする。
※以降ネタバレ有
「くっそ、親以外誰にも話していないってのに、あの金の亡者共は何処から嗅ぎつけてきたんだ‥」
幸運な当選者である彼、志野一良は、当選を期に購入したファミリーカーで、夏を迎えたばかりでのどかな田舎の山道を走りながら毒づいた。
事の発端は今から約1ヵ月前に遡る。
いつも通り彼が会社が終わって帰宅する途中、普段夕食を買いに立ち寄るスーパーの脇の宝くじ売り場が偶然目につき、ふらっと寄ってみたのだ。
「ロト6発売中!今なら42億円キャリーオーバー中!!」
と掻いてある張り紙を見つけ、しかし、普通に買っても面白くないと思った一良は、まるっきり同じ数字で10口購入。
「しっかし、まさか本当に40億当たるとは思わなかったなぁ」
そう、彼はそのアホな買い方が功を奏して、40億円当選という偉業を成し遂げてしまったのだ。
その日から換金可能な期日まで、買い物にも会社にも行かずに部屋で冷蔵庫を守って過ごし、換金日にタクシーを呼んで銀行まで行き、即換金。
そのまま銀行に40億円入金という作業をしたのだった。
その後、労務規定である退社前の1ヵ月を引継ぎやら残務処理やらをこなしながら過ごし、円満退職した次の日。
聞いたこともない宗教やら、なんともうさんくさいボランティア組織やら、小学校以来会ったこともないような友達からの金を無心する連絡が、電話だけでも1日50件オーバー。更にどこから嗅ぎつけてきたのやら、連日連夜部屋の戸を叩く亡者共に嫌気がさしてアパート脱出を決意。
困り果てて親に相談したところ、
「群馬の山奥に、先祖代々から持ってる屋敷が残っているから、そこに避難してみたらどうだ。30年前に見たときもそんなに荒れてなかったし、柱や屋根はしっかりしていたぞ。あと遊びに使いたいから金を一億円程口座に入れておいてくれ」
2日後に速達で屋敷の鍵が送られてきたので、一良は急いでアパートを脱出したのだった。
山道に入ってから30分程走り、ナビに従って舗装されていない狭い道を10分程走っていると、なにやら大きな平屋の屋敷が見えてきた。
「おー、これか。30年放置されてた割にはしっかりしてるじゃないか」
車を降りて屋敷を見てみると、思っていたよりも断然綺麗な常態であった。とても30年間放置されていたようには見えない。
一良は少し不気味なものを感じつつも、家の中を散策してみると、家の最奥に、手前に引く観音扉に南京錠の掛かった部屋があるのを発見した。
「ええ‥何で家の中に南京錠の付いた部屋があるんだよ‥」
不気味なものを感じつつも、その南京錠に触れてみると、それは「バキッ」と音を音を立てて崩れ落ちた。
一良の怪しい冒険の旅がはじまろうとしている。ここまではなんだかホラーっぽいが大丈夫不思議な異世界生活がまっている。
■自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う
自他共に認める自動販売機マニアである彼は、交通事故から自動販売機を守って死んだ。そこで人生を終える筈だった彼が目覚めたのは、自然豊かな湖畔だった。何が起こったのか理解できない彼だったが自分がーー自動販売機になっていることだけは理解できてしまう。異世界の迷宮で一人…一台佇む彼が一人の少女に出会うことにより物語は動き始めるのだった。
※以降ネタバレ有
俺は自働販売機が好きだ。どれくらい好きかって?
財布の中身が千円しかなくて、それであと一週間食いつながなければならない状況下でも、自動販売機に見知らぬ商品が入っていたら、迷わず購入するくらいかな。
飲んだことのない明らかに地雷な組み合わせをした炭酸飲料。それを温めたらダメだろと言いたくなるホット飲料。たぶん、ここで俺が買わなければ1ヵ月後には消えている。なら買うしかないだろ。飲料だけじゃない。スナック菓子やパン、冷凍食品を自働で温めてくれる物だってある。
もちろん食べ物以外も、文房具、服、靴下、アダルトなアイテムまで取り揃えている自働販売機。惹かれない方が嘘ってもんだ。
古今東西のあらゆる自働販売機があまりに好き過ぎて、ネットで見つけた珍しい自働販売機を巡る旅に出たことだってある。あれは最高の旅だった。激写しまくった写真はパソコンの秘蔵ファイルに満載されている。
そんな俺が自働販売機に押しつぶされて死んだのはある意味、必然だったのだろう。 自働販売機を設置する為に軽トラックの荷台に置かれていた自働販売機。それが急カーブから飛び出してきた車との接触事故により、俺の方向へ飛んできたのだ。
今思えば全力で避けていたら助かっていたかもしれない。だが、その真新しいデザインの美しいフォルムをした自働販売機に目を奪われていた俺は、この自働販売機を助けなければと、地面に激突する前に受け止めようとしたのだ。
中身が詰まっていない自働販売機であっても400kg前後、中身が詰まっていたら800を超えると言われている。そんな重量の鉄の塊が吹き飛んできて、それを人が受け止められるかどうか。
答えは―押し潰され絶命した俺を見ればわかるだろう。
そうして、自働販売機マニアはある意味、本望である死に方をしたのだった。
本来はそこで終わる筈の話なのだが。俺の物語には続きがあった。
鉄の冷たさを抱きながら永遠の眠りに落ちた俺は唐突に目が覚めたのだ。
死ななかったという安堵感と同時に、受け止めた自働販売機が無事なのかと心配になったが、それは杞憂だった。
何処かわからない湖の近くに俺は突っ立っていた。身体も動かず、声も出せず、感覚もなくただそこにいた。
わけもわからず叫び出したかったが、口から出た言葉はー
「いらっしゃいませ」
予想もしない言葉だった。俺の正気を疑い、誰か別の人の声ではないかと思ったが、自分で話した自覚はある。
心を落ち着かせて、もう一度声にしてみる。
「ありがとうございました」
自働販売機に転生って、発想がぶっとんでる!動けない主人公でどうやって話を進めるの?
■お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件
藤宮周(あまね)の住むマンションの隣には、学校でも一番の人気を誇る愛らしい天使が居る。
天使と呼ばれる程の美貌を持った優秀な少女ーー椎名真昼と、特に目立つこともない普通の生徒である周は、隣人といえど今までもこれからも関わることもないと、思っていた。雨の中、ずぶ濡れになった天使と出会うまでは。「借りは返します。ところで、お部屋片づけた方がいいですよ。ひどい有り様でした」「余計なお世話だ」傘を押し付けたことから始まる、ちょっと言葉がきびしい天使様との関係。風邪を引いてしまい看病してもらったり、不摂生をとがめられご飯を作ってもらったり、共同作業(部屋の掃除)をしたり、二人でお出かけしてしまったり。最初はめんどくさがりの事なかれ主義だったのにいつしか懐に入れてしまうようになった周。これは、素直ではない二人の歩み寄りのお話。
※以降ネタバレ有
「‥なにやってるんだ」
藤宮周が彼女ー椎名真昼と初めて話したのは、雨が降りしきる中、公園でブランコに座っていた彼女を見かけた時だった。
今年高校1年生になり一人暮らしを始めた周が住むマンションの右隣には、天使が住んでいる。
天使というのは勿論比喩であるが、その比喩が冗談ではないほどに椎名真昼は美しく可憐な少女だ。
亜麻色のストレートヘアーはいつもさらさらとして光沢が見えるし、透けるような乳白色の肌は肌荒れを知らない滑らかさを保っている。整った鼻梁に長い睫毛に覆われた大きな瞳といい、実に人形のような繊細な美しさを誇っていた。
彼女と同じ高校、それも同学年に居る周は真昼の評判をよく聞くが、文武両道の美少女というものが大半だ。
実際彼女は定期考査でも常に一位を取っているし、体育の授業でもエース並の活躍をしているそうだ。
周はクラスが違うので詳しくは知らないが、噂通りなら完璧超人なんじゃないかと思うほどである。
欠点らしい欠点は見えず、容姿端麗で成績優秀、それでいて驕らず謙虚で大人しい性格だとくれば、それはモテるのにも頷ける。
そんな美少女が隣に住んでいるのだから、この環境は一部の男子からは喉から手が出るほどに羨ましい状況なのだろう。
かといって、周には彼女とどうこうなるつもりもなれるつもりもなかった。
勿論、周にも椎名真昼という少女は魅力的に映る。
けれど、立場としてはたかが隣人。そして彼女と話す機会もなければ、関わるつもりもない。ついでに言うならば、異性として魅力的と恋愛感情を持つ事は必ずしもイコールで結ばれる訳ではなく、周にとって真昼は眺めるのが一番いい鑑賞用の美少女といった認識だ。
なので、正直雨の中傘をささずに一人佇む姿を見かけた時は何をやっているんだと不審者を見るような眼差しになってしまった。
皆が寄り道もせず自宅へと急ぐ程の雨だというのに、彼女は学校とマンションの間にある公園で一人、ブランコに腰かけていた。
(雨の中なにやってるんだ)
ただ、何故そこに、傘もささず濡れるがままになって佇んでいるのかが分からなかった。
公園の横をすり抜けようとしてー最後に見た真昼の顏がどこか泣きそうに歪んだように見えて、周はぐしゃりと頭をかいた。
二人の物語がここから始まる。ドキドキワクワクのストーリー♪
■成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです
俺、一之丞は就職100連敗、さらに記録更新中の無職だった。面接に向かう途中、トラック事故に巻き込まれ、あえなく死亡。そして、女神から常人よりも400倍のスピードで成長する能力を授かり、まるでゲームのような異世界へ。だけれども、無職のままだと成長しても強くなれないことを知り、転職を、目指した俺だったが、何の因果か無職の凄さを知る。成長チートと無職チートで異世界を駆け上がる、ハローワークから有害図書認定されること間違いなしの冒険譚、ここに開幕。
※以降ネタバレ有
就職の不採用通知「お祈りメール」で100連敗中の一之丞は会社の面接に向かう途中トラック事故で逃げ出した馬に衝突されて死亡する。
死後の世界でオークの女神様、子供の女神様からそれぞれ経験値20倍と必要経験値1/20をもらい合計経験値400倍!
ダイジロウさんからのメッセージを読み、アイテムバッグをもらう。
北に向かう。ウサギ発見!落ちていた尖った石を掴み、兎に殴りかかる。レシーブでウサギを宙へと浮かせ、アタックの代わりに尖った石を思いっきり叩きつけた。
【イチノジョウのレベルが上がった】
「ステータスオープン」と念じたところ
名前 イチノジョウ
種族 ヒューム
職業 無職 LV13
HP 10/10
MP 8/8
物攻 9
物防 7
魔攻 4
魔防 3
速度 4
幸運 10
装備 尖った石 リクルートスーツ 革靴
スキル なし
取得済称号 なし
転職可能職業 平民LV1
天恵 取得経験値20倍 必要経験値1/20
北を目指すか‥と思ったら、またもやウサギ発見!
【イチノジョウのレベルが上がった】
【無職スキル 職業変更を取得した】
【無職スキル 第二職業設定を取得した】
【自働的に第二職業を平民LV1に設定しました】
名前 イチノジョウ
種族 ヒューム
職業 無職LV20 平民LV1
無職の脅威がここから始まる。
■魔王様の街づくり~最強のダンジョンは近代都市
魔王は自らの生み出した迷宮に人を誘いこみその絶望を食らい糧とする。
だが、創造の魔王プロケルは絶望ではなく希望を糧に得ようと決め、悪意の迷宮ではなく幸せな街を作りたくさんの人間を集めることにした。
しかし、彼の作った街は魅力的すぎて、他の魔王にも人間にも目をつけられることになってしまう。
しょうがないので、ユニークスキルと独自の知識で超強力な最強魔物軍団を結成、苛烈な罠を仕掛けた地下迷宮を作り、その上に、豊かな街を作ることになる。魔王プロケルは味方には優しく、敵対するものにはどこまでも冷酷になる魔王として君臨しはじめた。
これは表と裏、両面の顏を持つ、変わり者魔王の物語。
米以降ネタバレ有
「教えてくれ、あなたは誰だ?ここはどこだ?いったい俺は誰なんだ」
俺の問いを聞いて、狼の美女は薄く微笑む。
そして、口を開いた。
「私は【獣】の魔王、マルコシアス。君は特別だから、マルコと呼んでいい」
マルコの影が伸びる、そこから一匹の青い狼が現れた。
影から飛び出た勢いのまま、こちらに飛び込んでくる。
「ランクDの魔物、ガルム。普通の人間ならあっという間に食い殺す残虐な魔物だ。さあ、
君ならどうなるかな?」
狼が、こちらに向かってよだれを垂らしながら突っ込んできた。
殺される。
いやだ、死にたくない。
死んでたまるか。
何か、何かないのか。
頭にとある言葉が浮かぶ。縋りつくようにその言葉を放った。
「【創造】」
手に光の粒子が集まり、現れたのは、拳銃‥クォーツ19。
オーストリアの武器メーカーが開発したベストセラーの自働拳銃。小型でありながら信頼性が高く、装弾数も多い。
飛び掛かってくる、青い狼を見つめ、標準をつける。
そして三連射。弾丸は吸い込まれるように眉間に突き刺さり、青い狼は弾き飛ばされ悲鳴をあげ、地面にたたきつけられた。
驚いた。青い狼は弾丸を眉間に受けて、まだ生きている。頭に弾丸がめり込み、血を流しながら俺を睨みつけている。
立ち上がり、油断せず近づく。青い狼を見下ろしながら連続して射撃。全て頭にぶち込む。クォーツ19の装弾数は15発。その全てを打ち込むと、青い狼はピクリとも動かなくなり、青い粒子になって消えた。
いったい、俺はなんだ、どうしてこんなことができる。その回答が脳裏に浮かんだ。
『ユニークスキル【創造】が発揮されました。あなたの記憶にあるものを物質化します。ただし、魔力を帯びたもの、生きているものは物質化できません。消費MPは重量の十分の一』
「おめでとう、まずは合格だ。君は自分の力を引き出すことができた。新たな魔王の誕生を私は歓迎する」
魔王誕生?これからどうなる?魔王の能力って?これからのお楽しみが待っている。
■幸運の初期値が異常に高かった高校生が、缶詰ガチャで手に入れたスキルを使って現代ダンジョンで最強になる物語
10年前、異世界からやってきた謎のゆるキャラ生命体ダンポンによってダンジョンが生み出され、ダンジョンが日常の中に入り込んだ日本。
高校生の壱野泰良は友だちに誘われて大阪梅田駅のダンジョンに行く。
しかし、そこは大勢の人で溢れていて、まともに魔物を倒すことができるような状況ではなかった。
手に入ったのはわずかな経験値と、何が入っているか、どうやったら開くかわからないD缶という缶詰のみ。
家に帰って自分専用のダンジョンが欲しいと思っていたら、突然D缶が開いた。
中に入っていたのはスキルを覚えることができる飴玉。
泰良はその飴玉でスキルを覚え、最強のダンジョン探索者になるべくダンジョンに潜っていく。
※以降ネタバレ有
そこは梅田地下街のさらに地下にあるダンジョンだった。
10年前、突如として異世界から「ダンポン」という生物が現れた。
ダンポンは世界中にダンジョンを生成。人々をダンジョンに誘った。
魔物との死闘、財宝の発見、そしてレベルアップによる成長。
まるでゲームのようななんと夢のある言葉だろうか?
有名配信者が魔物を倒す動画は毎回100万回再生を突破し、さらにトップランカーと呼ばれる攻略者はその動画収入を全額寄付してもあまる程の財をダンジョンから得ている。そんな夢溢れるダンジョンだったのだがー
「これってダンジョン攻略っていうのか?」
俺、壱野泰良は始めてのダンジョンの中のブルーシートの上で周囲を見る。
探索者には前から興味があったが、知識も経験もゼロに等しい。それでも、ニュースとかで見るダンジョン探索は、こう、なんというかもっと派手だった気がする。
魔物を倒したらレベルが上がる。レベルが上がるとステータスが伸びるだけでなく、極稀にスキルを覚えることがある。闘いに役立つスキルがほとんどだが、「翻訳」「鑑定」「即席料理」といった日常にも使えるようなスキルも存在するらしい。闘いに関するスキルはダンジョンの外で大きな制約を受けるのだが、しかしそういう非戦闘スキルはダンジョンの外でも普通に使えることが多く、そういうスキルを求めてダンジョンにやってくる人間も結構いる。
だから、ダンジョンはとにかく人が多い。
俺は現在、ブルーシートの上に座り、スライムが湧くのを待っている。こうして並べられたブルーシートの上に座り、そのブルーシートの上に現れた魔物だけを倒す権利が与えられる。魔物を探すという行為はない。
目の前が青く光り、そこから現れたのは青いスライムだった。
目も鼻も口もない、まるで大きなグミみたいな見た目の魔物だ。
突然のことに一瞬驚き、反射的に入口で借りたこん棒を降り下ろす。スライムはグシャって感じに潰れ、光の粒子となって消えた。
その場に残ったのはゲームセンターにありそうな黒色のメダルーDコインだ。
これを換金所に持っていけばお金に換えてくれる。
まだまだ序の口だが、これから幸運値のが高い主人公の物語が始まる。最後は少し尻切れトンボだが、幸運な少年の冒険は楽しい。
■スキル【海】ってなんですか?~使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女のの鍵を握るスキルとして追われています~
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは謎のユニークスキルー<海>だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子供以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父様の弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
…まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていた僕が好きだったのは、幼馴染で我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有難いかも。
それに<海>があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海に繋がっていたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
ー時空の海、ってなんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父様のアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど‥。ここに繋がっていたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人アイテムボックスに繋がっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと‥伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って‥。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者ってムリムリムリ!
そおっとしておこう‥。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!そう思っていたんだけど‥。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
ー情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
※以降ネタバレ有り
【海】という非常に大きなスキルと使命を与えられたにもかかわらず、叔父さんのところに追い出される。スキルのランクアップが激しく楽しい。話の流れも面白い。最後の尻切れ感がもったいない。
■おっさんのリメイク冒険日記~オートキャンプから始まる異世界満喫ライフ~
1334話/4,103,487文字
ある日、オートキャンプ中に次元の隙間から異世界へ行く羽目になったおっさんが、数々の冒険の果てにケモミミ幼稚園なるものを創設することになった。
そして色々な事件に巻き込まれつつも、様々なイベントを開催していくのであった。
▽プロローグ(R6.11.20)
扱いのひどい会社を辞めて7年、宝くじで八億円当たってしまった。クロカン車を買い、オートキャンプ場で楽しむことにした。現地へ着いて受付を済ませ、キャンプ場の売店を覗いてみる。激しくそこにあった品々に対する圧倒的なまでの購入衝動を感じた。衝動のままに商品を買い込む。スナック菓子にカップ麺、食い物や菓子類。カップスープやウーロン茶。蚊取り線香・防虫スプレー殺虫剤。レトルト食品や調味料。ワイン、カップの日本酒、牛乳、水、アイス。食器用洗剤柔軟剤布団セット、暖房器具ランタン、ざら板、湯たんぽ、調理器具各種、鉄板かまど、大中小鍋、カセットコンロ。車の中が荷物でいっぱいになってしまった。バンガローに車を着けて荷を降ろそうかと思ったらいきなり濃い霧が出てきた。スマホを覗くと圏外だった。
しばらくして、霧が晴れる。隣にあったはずの他のバンガローなんかもない。
その頃、キャンプ地では。バンガロー棟は本日貸し出された1つだけが地面から引きちぎられたように基礎ごと消えており、そこにいたはずのお客さんや車もなかった。
感想
圧倒的な購入衝動の原因となった存在に都合が良すぎとひっかかる。ここで買われた商品の今後が気になる。商品を積んだ車と一緒に異世界召喚。続きが楽しみ。
▽1-1 コピー能力(R6.11.21)
異世界に来てしまった?「ステータスオープン」ととりあえず言ってみた。目の前へ本当にウィンドウが現れた!
Eドライブを開けてみると「アイテムボックス」とある。カーソルを当てると、説明に「無限収納領域」とあった。
試しに車かrくぁバッグを出して画面に突っ込んでみた。Eドライブに、バッグ1とある。
それを画面でタップすると中身が展開された。そいつをタップすると「取り出しますか?Y/N」と大きく出たのでYをタップする。手の中に急にバッグの持ち手が現れる。
アイテムボックスのヘルプをタップすると、説明が表示された。
「無限に物体を収納できる。基本、状態保存により時間停止状態にあり、物が腐ったりはしない。設定により変更もできる。ボックス内に新規のファイルを設定する事により、専用のイベントリを作成できる。意思ある生物は魔力抵抗があるため収納できない。様々な機能を持つ。」
「コピー。
MPをコストに物体をコピーできる。MP回復量を超えて限界まで消費できればMPレベルが上がる。
稀人の場合、通常はLVアップで元値の二倍となるが、EXP±のスキル補助により、補正増減は二倍から始まり最大で百二十八となり百二十八倍に到達して以降は全て百二十八倍となる。」
拡大縮小コピー可部分コピーも可。
水をコピー。ペットボトルの水がはこごと出てきた。MPは5/10となった。そしてもう一つ水をコピーしてMPを使い切ったら40/LV2となった。諸々食い物をコピーすると40×2×4で320MP・LV3となった。
食い物をコピーしていると、320×2×8で5120MP/LV4に上がった。
トイレットペーパーなどをコピーなどをコピー。5120×2×16で16万3840MP・LV5となり、ついに車を、いや荷物すべてをコピーできるだけのMPになった。車丸ごとコピーして「車コピー」ファイルが出来た。
感想
素敵なコピー能力とMPレベルUPの説明。異世界に流されて便利な能力を手に入れる。便利過ぎてうらやましい。
1-2 異世界キャンプ
引き続き車のコピー。MPが尽きてMPレベルUP。1048万5760MP/LV6。斧やナイフ、焚火などを準備する。キャンプ場でキャンプ開始。ウインナー、ハム、和牛も焼く。
感想
呑気にキャンプ開始。異世界なのにこんなに呑気で大丈夫だろうか?
1-3 ステータスやシステムのチェック
夕べはぐっすり眠れたようだ。キャンプ場に来たことを思い出した。
起きて外に出たら、ここは鬱葱とした森の中の広場のような場所だ。思い出した。キャンプ場から、なんだか変な所に来てしまったんだった。
なんとなく根付けないので、布団に転がったまんまステータス画面を開けてみる。まず上のPCのスキルが凄かった。
「インターネット 異世界から地球のインターネットに繋ぐ事ができる。クレジットカードや口座振り込みで有料サービスも受けられる。」
PCを開いて「接続タブ」を開いて通常の接続手順を行うと、ネットに繋がった。
次にMAPをタップする。いつもネットで使っている地図サイトが出て来て普通に使えるようだ。
地図を目いっぱい拡大して世界地図を見たら、そいつは少なくとも見慣れた地球の地図じゃなかった。どうやら俺はこの訳のわからない世界のどこかの大陸にいるようだった。
最寄りの街を見ると、かなり離れているようだった。
いつも馴染みの、地図上でクリックした地点の写真を表示する機能が使えた。そして街を映したら、なんだかとんでもない画像が色々と拝見できた。それを見て、思わず沈黙してしまった。
街へ行くのが戸惑われるような画像の羅列が並んでいた。
何か「武装した物騒な人たち」が大勢いたのが目を引いたのだ。しかも持っているのは銃ではない。剣とか槍とかを持っているのだ鎧みたいなものを着込んでいる奴らもいる。
こいつはどうやら『敵』を識別して映して映してくれるようだ。
デフォでは敵は赤点で表示される。脅威が高いと大きく、そして激しく点滅する設定になっている。味方は緑で、それいがいは中立を表す黄色だ。
武器があれば、アイテムボックスから赤点に向かってそれを射出も出来るとあった。
あと、アイテムボックスの機能で付与というものは何だ?
どうやら中に取り込んだものにスキルや魔法を付与できるようだ。
今出来るのは「強化」と「アイテムボックス」くらいか?
これを使えば強化剤や、容量を増やした魔法のカバンが出来そうだ。
さっきMAPで見た限りでは状況はあまりよくないようだ。
街は、なんだか剣や槍で武装した人間でいっぱいだったし、よく見ると普通の人間じゃないと思われる存在もいた。
些か獣っぽい要素をお持ちの方々だな。あとファンタジーなタイプの方なんかもいらっしゃるようだ。
馬車が映っていて自動車などはなく、道路は石畳だ。建物も石造りのようだし。
というわけで、とりあえずの武器に強化を付与してみる。
よく考えたら「身体強化」をまだ使ってみていない。
最初はよくわからないのでスキル欄の身体強化をタップする。すると、そのまま何かが軌道する感じで体に力がみなぎる。説明によると体が強化されて丈夫になり、力なども強くなるようだ。
ちなみに今はLV1だ。
とりあえずアイテムボックス欄で付与のイベントリを作製した。
そのアトリエ用のイベントリの「付与専用ファイル」の中に、まず狩猟用ナイフを入れて強化を付与してみた。右クリックの感覚でいじると、項目の中に付与があった。タップすると付与する項目が出るので、そいつの中から身体強化をタップする。そのまま強化が完了した。
物体も自分の体と同じく強化できるようだった。
感想
身体と物体の強化についての説明が長い。説明書を読まされている感じ。でもワクワクが止まらない。
1-4 おっさん再生される
間違いなく、このシステムは自分で作ったな。正確には「もうひとりの自分」が。
自分が一番使いやすいやり方になっている。
霧の中で見た、あの夢を思い起こしてみた。自分自身がパソコンのシステムをいじっていた、あの夢だ。
自分で意識していなくても、無意識領域下で構築したのかもしれない。
自分で意識していなくても、無意識領域下でセブンセンスはいつも仕事してくれている。
こいつは多分自分で使い易いようにシステムを改造していけるはずだ。
そしてデイバッグに「アイテムボックス」を付与してみた。
設定画面が出たので、無限収納のみを設定してコピーする。
外に出して確認すると、ちゃんと魔法のカバンになっていた。
更にこれをコピーしても、コピー品にちゃんと収納の機能がついていた。
次が「再生」か。
これはアイテムボックスの中の中の物にもかけられるようだ。
遥か大昔の若いころ、バイクに乗っていた時代に使っていた古いキャンプ用の小型携帯ガスコンロを出してみたが、なんと新品と化した!
そこではたと気がついた。これは人間にも効くのだろうか?試してみたいが、得体の知れない物を自分に試すのは少し怖い。だがヘルプをじっくり見たら人間にも有効とある。
他にもいくつもの物品を試し、また生物である植物でも試してみた。すると萎れたそのへんの草が元気に背筋を伸ばした。
動物にはどんな結果になるのか。本来なら動物実験とかをして慎重にいくところだ。でも動物がどこにも見当たらない。そして決断した。使ってみよう。
セブンセンス、俺の内なる「確信の力」は、再生を自分に使うにあたって全く不安を感じさせない。
「再生」対象を自分として、強く念じて再生をタップする。
すると何か凄まじい力が体中を駆け抜けていく。体が絞られる感じがした。昔の手回し式脱水機で2つのローラーの間に洗濯物を通して煎餅のようにぺちゃんこにするみたいな雰囲気か。
「おお‥」
なんと体が見事に再生されていた。体の不具合も感じられない。昔のまま丁度二十代の頃の全盛期の体だろう。体の具合の悪かったところがすべて良くなっていた。目も歯も体中の筋肉も神経も。頭も妙にすっきりして。これはいいスキルだ。
MPはもうLV7になっていた。約13億4000万MPか。魔法は何も入ってないので、実際にこのMPとやらを使えるかどうかは全く不明だ。
とりあえず念のために、もう少し武器を作っておくとしよう。
まず斧を各サイズで作成し、鉈・シャベル・投げるように拡大コピーしたアウトドアナイフなどを作製する。
今日で、ここへきてもう2日目だ。
夜に猿のような怪物クリオン Eランクにおそわれる。
感想
若返り羨ましい。もう一人の自分に感謝。コピーに拡大、縮小便利♬
1-5 旅立ちの日
マジで殺される。動けない。そいつが迫ってくるのを、ただ見る事ができるだけ。
そして、生憎なことに奴の方が動き始めた。
思わず俺は念じた。
そして何故か自動的にアイテムボックスが起動する。
その奇怪な生物は、突如上空から襲う数十本の大型刃物に全身を刺し貫かれて絶叫した。
「こいつは俺の力で殺すことが出来る。ダメージを与え悲鳴を上げさせることが出来る。」
更に元は頑丈なクロカン車の外板であった大型で厚手の鉄板を、今度は自分の意思でアイテムボックスから空中に呼び出して、まだ蠢いていた悪魔の上からギロチンの如くに重量のパワーで降り下ろした。
バスっという鈍い音と共に、奴は首を取り落されて、闇の支配する森にずっしりと沈んだ。今回はやばかった。こんな場所であまりにも無防備過ぎた。
今日はレーダーとアラームを仕掛けておき、思いっきり強化をかけたバンガローの中で何かあってもすぐ出られるような恰好で寝ることにした。
色々と支度をしながら、この先どうするのかという趣味レーションをしていた。
山の中をMAP頼みで2時間ほど行ったら、いきなり道が開けた。
八時間ほどで暗くなる前に広めの道に出た。ここならば車幅のある俺の車でもかろうじて走れそうだ。
車を出して今日は車中泊と洒落込んだ。
感想
襲ってきた怪物をしとめ車中泊。怪物との戦いはほぼオートで物足りない。ドキドキしながら見守る感じ。
1-6 初めての街へ
そして異世界にて4日目の朝がやってきた。朝食は野菜ジュースとサラダ、作り置きのハムエッグにオニギリと味噌汁の、準和風定食の組み合わせだ。
今日も頑張って荒野を行かねばならない。朝から栄養はしっかり取らないとな。
さあ出発しよう。この異世界の荒野へ。
街へ入る時の一応の設定は作っておいた。
遠方からの商人というものだ。
「山間で静かに暮らしていたが、魔物が出るようになったので僻地を出て商売を始めるようになった。生まれた国は覚えていない。
家族で旅をしていたように思うが気がつけば一人きりだった。
盗賊ないし魔物に襲われたものか。
自給自足で暮らしていたが、とうとう居場所を出ざるおえなくなった。
ここで商売してみたいので街に入りたいのだが」
こんな曖昧な話が通じるものかどうか、よくわからない。
怪しい奴として捕まえられたりしたら豪い事だが、このまま荒野を旅するというか、ただ流離うのもまた辛い。いざとなったら車を出して全力で逃げよう。そんな感じで腹を括った。
商品は用意してある。調味料の小分け用に買った、ガラス瓶やプラ素材の瓶詰の空き瓶などがあった。
それをコピー能力で、粗悪なガラスや木の素材に作り変えてある。
俺のアイテムボックスの中では、そういう材料置換のようなことも出来るのだ。
その中には砂糖・塩・胡椒などの差し障りの無いものが入っている。
タオル・ウイスキー・クッキー・パスタを用意した。
現金は無いのだが、金版をなんとかなんとか用意しよう。アイテムボックスで角ばった形のウイスキー瓶を、時計に使われていた金を増やした物を素材にしてコピーする。「ウイスキー瓶コピー(金)」なんていう物ができた。そいつを十本ほど作り、身体強化してナイフで切り分けた。
道具も強化されたナイフなので、同じく強化され力も強くなった俺の体は、柔らかい素材である純金など苦も無く切り分けた。
服装は、Gパン・革のブーツ・スエット・とっくりセーター・ボンバージャケット・百均の黒い毛糸帽子といった、目立たない地味系ファッションで固めておいた。
道なのかどうかもよくわからないような山間の隙間道をゴトゴトと進む。
おっと、どうやら街道らしきものに出たようだ。ここには石畳こそ引かれてはいないが、紛れもない街道と呼ぶべきものがそこにあった。MAPによれば、街へは後五十キロメートルほどの道のりだ。
現在時計は午前8時を指しており、時間的には充分余裕ががある。
なだらかに続く未舗装の街道を、ゆっくりと進みながら十時前にはもう目的地の街に着いた。俺は車を降りて収納した。
太い鉄材を組み止めたといった感じのごついスタイルの門自体が、自分の侵入を拒否いるかのように錯覚する。
少し戸惑ったが、徐に門へ近づくと勇気を出して門番に話しかけた。
「こんにちは私は遠方からやってきた商人です。ここで商売したいので街に入りたいです。実は身分証が無いのですが」
言葉は通じたが、説明に納得してもらえなかったようだ。
「なんだと?お前は盗賊の仲間なんじゃないのか?あるいはとこかの国の間者じゃないのか?出自や身分などを偽って街に入ったら死罪だぞ?」
ああ、どこの国へ行っても、この手の職業の人は人を疑うのが商売なんだね。
「金は持っているのか?街に入る時には、銀貨一枚を徴収されるが」
「あっと、すいません。持っていません‥」
商品を見せたが、疑いの目をむけられた。まあ無理もない。
商人のくせに現金も持っていなかったし、名前を書けと言われたがなんと‥ここの文字が書けなかった。そもそも字が読めないし。
「商人のくせに字が読めないし書けないだと?」
とまた疑われた。
「人頭税の関係で台帳も整備されている。村でも厳しく管理され、毎年村長から担当の役人に書面で提出され、管轄の領主の下で保管される。お前みたいな奴が、そうホイホイといるはずがない」
ううっ、考えが甘かった。この街はそれほど大きくなさそうな感じだったので、もしかしたらいけるかなとか内心では思っていたのに。
それはここが辺境だからだそうで、特に規則が甘い事はなかった。
「もうこの先に街はない。商売がしたいなら、この街道を戻って村を回れ。辺境の村に来る奴は少ないので歓迎されるだろう」
だが彼らはそう教えてくれた。まあ、それないには親切なのか‥。
俺は彼らに礼を言って、とぼとぼと街道へもどる。思わす途方に暮れたが、これだけ厳しく身分を改めるような国で、身分証もないのに捕まらなかっただけマシだったと思うしかないだろう。
感想
意外と厳しい異世界事情にびっくり。金目のもので強引に入ったりしない分主人公の冷静さがうかがえる。
1-7 盗賊
やれさて、これからどうしたものか。
俺は車を降りて歩いていた。
身体強化のレベルを上げようと思って、わざと歩いていたのだ。
せっせと歩き、休憩しつつも五時間は歩いた頃、いきなり何かが空を裂く音が聞こえた。
なんだ?と思う暇もなく数人の男が前後を塞ぎ、俺が見事に取り囲まれてしまった。また「いつもの奴」なのかもしれない。失意のあまりレーダーを展開してなかった!遅まきながらレーダーを展開したら、見事に画面が真っ赤っかだ。つまり敵意ありということか。
全部で十人か。全員、薄汚れた革の服を着て、その上から粗末な防具をつけている。
目の前には8人。木の陰に隠れている伏兵がが二人。きっと隠れている連中は飛び道具を持ってやがるんだろうな。
連中は、手に手に刃物の得物を持って舌なめずりしている。どうやら銃は持っていないようだ。代わりに弓矢を使っている。
こいつらは盗賊だった。鑑定すると、軒並み殺人だのといった凶悪な罪状がずらずらと並んでいた。
駄目だ、ボーっとしていたら殺される。おれは瞬時に判断して、アイテムボックスから車を出してさっと乗り込んだ。
追い詰めた得物が、まさかそんな方法で逃げ出すとは思っていなかったらしくて、あっけにとられる盗賊たち。
俺は大急ぎでドアをロックする。すかさずエンジンをかけてシフトレバーをドライブに叩き込み、ぐいっとベタ踏みでアクセルオン!
その凄まじく唸りを上げる、俺の故郷である日本のデトロイトで生産された強大な4リッターエンジンの咆哮と、見たことも無いような派手な色彩の塊が降るスロットを受けた結果の突進に、盗賊共は慌てて飛びのいた。
奴らの持ち物をいくらか目視でアイテムバックスへ収納しておいた。足元に刺さっていた矢もとっさに回収しておいた。
魔物に山賊か。実にありがたくないな。
今度はレーダーMAPをしっかりと展開し、デイ国アラームも出しておいた。
さっきのところで、あの街から二十キロメートルくらいの位置まで着ていた。
今度はそこから十キロメートルほど走ったところで村が見えてきた。
地図どおりだな。
次の村はまたそこから三十キロメートル先だ。
ちょっと空いたスペースで車を止めて、また趣味レーションをする。
村に入るのに車はマズイよな。
パンとジュースで腹ごしらえを済ませ、バケツトイレに小便をしてから服装のチェックをしてみる。
左側には、剣・ナイフ・槍・斧などの武器を入れてすぐ出せるようにし、火炎瓶やガソリンのインベントリも用意した。そして右側にはいざとなったら岩や鉄板を前に展開して盾にできるように、その手の物を収納してある。
勢い込んで村に向かったが、柵で囲まれた村の入口には誰もいない。そのまま歩いていると、突然に誰何の声がかかる。
「お前は誰だ!余所者だな」
そいつは普通に村人っていう感じの粗末な恰好だった。
まあ村なんかじゃ余所者には煩いよな。
「こんにちは!私は旅の商人です。ここへは商売と一夜の宿を求めてやってきました」
俺はその厳しい声かけに精一杯の笑顔で対応してみせる。
「ほお?」
彼の顔には不信の二文字が張り付いている。
俺の恰好が、ちょっとこの世界のファッションと微妙に違うからなあ。
革のブーツにジーンズ、トレーナーに革のジャケット。
背中には大きめの、工業製品である大量生産品のきれいな形をしたデイバック。
そういう状態であったので、相手の関心を誘導するためにここで爆弾を投下してみた。
「この先で盗賊を見かけましたよ。あとこれは拾った奴です」
目視収納で引っこ抜いてきた、土がまだ付いた状態の矢を見せた。
それを見た男は目を丸くして、「一緒に来てくれ」と言われた。
大急ぎで村長宅へ連れていかれたのだ。
ここは割合と大きな屋敷だな。それから適当に脚色した内容で説明する。
「向こうにある街とこの村との距離の三分の一くらいの場所でした。俺が出会った連中の人数は十人です。実に凶悪そうな奴らで、かなり武装していました。こっちが先に見つけたので命拾いしましたけど」
「最近、街道にて盗賊に襲われた者もおる。至急防衛の準備をせねばならない。いやよく知らせてくれたな」
「村を襲撃する事もあるのですか?」
「もちろんだ。この界隈でも十年前に村が襲われて、その村は今はもうない。この矢はその時の連中が使っていたものに近い。おそらく全部で十人などという少人数ではないだろう」
俺は思わず顔が歪むのを抑えきれなかった。
「この村に商店はありますか?」
現金が欲しいので訊いてみる。
「あるとも、この先を道なりに行けば村で一軒の小さな店がある。あんた塩は持っていないかね?」
「ああ、ありますよ。塩・胡椒は持っています」
「それは良かった。村の防衛戦もあるからな。代官経由で入手しようかと思っていたところだ。ちょうどいいから店に卸しておいてくれ。村長のダムルにそう言われたと言えばわかる」
村長に浅く礼をして、村の少し歩き難い凸凹道を急いだ。
木で出来た垣根に沿った石ころだらけの道を、指定された通りに歩くと本当にこじんまりとした、粗末な店があった。
「こんにちは。ダムル村長に言われて来ました」
「はい。こんにちは。なんだい?お前さんは。村長がなんだって」
いかにも村人でございといった感じの粗末なシャツとズボンを着た店主が、俺をじろじろと無遠慮に眺めまわしながら聞き返してきた。
「ああ、私は旅の商人なんですが、途中で盗賊団を見かけまして。なんでも昔この界隈の村を襲った連中かもしれないということで、防衛戦の準備に塩とかが欲しいと」
ここでは、いつもは使わない丁寧な言葉を猫なで声で出してみる。
「なんだって?あのほ兵崩れの連中か!わかった。塩はあるだけ出してくれ!」
一応、バッグがすし詰めな感じを装って、実はバッグの倍くらいの量の商品を出した。
「こりゃあ」
と言って店の主人は目を丸くする。ヤバい、なにかまずったか?
「何か?」
俺は緊張ぎみに聞いてみた。
「こいつは立派な容器だな。結構値段が高いんじゃないかい?」
「さあ?そんなに高くなかったですけど」と適当に誤魔化す。
粗悪なガラス瓶でも駄目だったか。
「今はそんなこと気にしてる場合じゃないですよ。さあ早く査定してください!」
そう言って店主を急かす。
「わかった。そうだな。せっかく来てくれたんだし、容器も上等だ。物もよさそうだし、一個銅貨5枚で引き取ろう」
「わかりました。初めての取引ですし、それで手をうちましょう」
塩胡椒各百個で銅貨千枚しめて銀貨二枚と大銅貨五百枚だ。
「悪いな、こんな村だからどうしても細かくなっちまう」
「いえいえ、良い取引をありがとうございました」
感想 盗賊から逃げ村に入れてひと安心。商売もうまく販売が成功してよかった。
1-8 村の宿にて
俺は歩いて村の宿を探す。ちゃんとそれらしき、針金で吊るされた古びた木製の看板が出ている。
「こんにちは。旅の商人ですが泊まれますか」
「ああ、一泊銅貨5枚になるね」
中年の女将さんが顔を出してくれ、銅貨5枚を払って二回の部屋に上がる。
ちょっくら村の探索と洒落込んだ。しかしあっという間に終了した。村の領主館?そこだけちょっと立派な建物で、可愛らしく鳴く馬がいたよ。
他には鍛冶屋に革職人の店みたいな所、そしてあとは小さな村の教会か。
まず部屋で、万が一防衛戦に巻き込まれたときのために装備を確認してみる。
メインウエポンは刃渡り九十センチの大刀だ。あとは刃渡り四十センチの短刀と強化シャベルか。そして次は槍だ。六十センチの大きな刃を着けた大槍と、四十センチの刃をつけた投かん用短槍がある。それから素人にはこれとよく言われる斧だ。
そして投下用に作っておいた、車を分解した鉄板がある。1.5メートル×2メートルサイズの重いギロチンに、幅10センチメ-トルのサイズで比較的尖ったやつだ。
村の老人たちから話をきく。ギルドカード、身分証、村人の順で入手は難しいらしい。この土地を納めている人の話を聞く。
感想
村で情報を集め、装備を確認する。やっと出てきた危機感にお少し安心する
1-9 襲撃
よし、爺さん達から仕入れた話の内容から当座の目標は決まった。
どこかで、この世界の身分証を手に入れる。そして王都までなんとかして行って、そこで文化的な生活をする。
スキルを磨こう。あと身体強化とかも。諸々レベルを上げてMPも増やす。
そして魅力的な商品も開発しよう。
あわよくば日本に帰る方法を探すとするか。
「あ、そういえば魔法は?」
「基本的に魔法は御貴族様のものだ。中でも収納の能力持ちは引っ張りだこだな。」
「いやあ、叔父様方有益な話を聞かせてもらってありがとう」
とりあえず明日は次の村を目指すかな。
そしてその夜、村は盗賊団の襲撃を受けた。夜更けに激しく叩かれる耳障りな鐘の音で、唐突に目を覚ます。
「盗賊だー!」
遠くで叫び声が響く。
急いで服を整えながら窓から見たら、あちこちから火の手が上がっている。
村全体を見られるサイズにしたMAPを見ると赤点の数が凄い。
カウントできるか?
すると欄外に赤点が点滅し、そいつに意識を集中すると、その数が五十と表示される。他に黄色が三百五十、灰色が五十二とある。灰色は死者数か。
なんと、ここの宿の中にも盗賊が踏み込んできている。
宿の中の黄点がどんどん灰色に変わっていく。
俺は急いで「身体強化」を重ねがけし、ジャージにも同様の処置をした。向こうの位置はわかる。
レーダーは赤点表示を示している。拡大してよく見ると、そいつらはもうこの部屋の扉の前まで来ている。
内側から閂をかけてある、この部屋の扉を蹴破ろうとしているのか!
もう何一つ戸惑っている時間がなかった。
次の瞬間、俺は覚悟を決めて大槍を取り出し、両手に持って扉越しに思いっきりぶち込む。強化された俺のパワーで放たれたそれは、安宿の薄紙のような木扉を貫通して大穴を穿つ。続けて何本も取り出しては夢中で投げつけた。
安宿の柔な扉の薄板が半分以上も衝撃で消し飛んで、その向こうの廊下が見えていた。
赤点四つのうち結局二つしか消せなかった。
レーダーを見つつ、槍を両手に持って部屋の外へ出る。
他の奴は既に廊下にはいない。
あるのは六本の槍で壁に磔になった二つの死体だけだ。
残りの奴らはもう宿の外へ出ている。
実に手慣れたもんだ。
壁に張り付いている「それら」を回収する。後で必要になるかもしれない。
うわっ、外へ逃げ出した奴らめ、何の躊躇いもなく、宿に火をかけやがった。
性格が瞬間沸騰型なのが功を奏したものか、俺は躊躇することなく反撃行動にでた。
さっき難を逃れた、俺への襲撃者の奴らは宿の外にいる。二人で固まっていやがるな、馬鹿共め。
そこへ手製の爆弾を投下してやる。窓から狙って、爆弾に火をつけてアイテムボックスから目視で連中の頭上に投下してやったんだが、あっという間に爆発した。
こいつはかなりの威力だ。連中は当然のようにお陀仏になっていた。
爆弾でぐちゃぐちゃになった盗賊どもの死体をあまり見ないようにして回収する。
こいつらは多分、倒した人間に報奨金が出るのではないだろうか。
さらに身体強化を重ねてから炎の迫る二階から裸足のまま飛び降りる。
ストンという感じにあっさりと地面に着地した。あまりにも衝撃がなくて拍子抜けしたので一瞬気が抜ける。
途端に何か重い衝撃が腹に命中して、思わずぶふっと息を吐いた。
そいつはなんと鋼鉄の鏃を持つ矢だった!
腑抜けている場合なんかじゃなかった。
身体強化と、衣服を強化してあった事に感謝した。
増大したHPの効果もあるのかもしれない。
慌ててレーダーで確認するとこいつらも四人ほどいた。俺は連中の無防備な頭から、およそ三百本にものぼる世界でも最高の刺突を誇る槍の雨を無慈悲に降らせてやった。
これで2チーム八人を仕留めたことになる。見ると赤点が三十七に減っている。
俺は着替えて靴を履き準備を整えると、盗賊どもをレーダーで見つけて、一番近くにいた奴らの後ろに近づいた。
そして闇の中、手製の槍の煌めきがほぼ無音で奴らの頭上に降り注いだ。逃れられない運命に奴らは敢え無く殉じた。これで仕留めたのは十二人だ。
それから立て続けに盗賊二組を襲撃する。
ここまでに俺が殺した盗賊の合計は二十人残り二十三人か。村人が頑張って七人まで片づけたようだ。これで敵は半分以下に減らした。奴らは全員がバラバラの場所にいるので、まだ大幅に数を減らされた事に気づいていない。
更に三組の盗賊を倒した。これで俺が倒した数の合計三十二人になった。
盗賊の数が減ったので、村人も多人数による囲い込み戦術でさらに激しく反撃をくわえた。敵の残りは八名」となり、奴らもいい加減自分たちの分が悪いことに気が付いたようだ。
レーダーMAPで、どんどん集まっていく敵を追い、投下槍五百本で戦場に槍の雨を降らせた。敵は全滅した。
感想
激戦の末勝利。ドキドキした。激しいバトルと能力の上手い使い方にあっぱれ♬槍投下には驚かされた。
1-10 再び街へ
11時前に無事にエルミアの街へ入り、領主館へと向かった。
少し待たされるそうなんで、先に冒険者ギルドへ連れていってくれた。
俺がボーっとしているうちに、あっさりと冒険者登録が出来,盗賊討伐の件もあってギルマスの裁定で通常登録の一つ上のEランクが貰えた。FとかEとか言うが、地球のアルファベットではない。文字の順番で上から5番目6番目という意味である。不思議と、ここもアルファベットと同じく26文字だった。
そういう事もあって、異世界言語のスキルではEとかFと翻訳されるようだ。
これはもしかすると、地球からこちらへ来た人間人間の影響があるのかもしれない。同じ時代でないのなら、俺以外にも御仲間がいるのは既にわかっている。
冒険者用のカードは特殊な物で絶対に偽造出来ず、いろんな情報も記録できる。
本人の情報も自動で読み取って記録する仕組みらしい。
こいつは一種の魔道具だ。
心配になったので鑑定でチェックしたら、カードの記載事項は当たり障りのない内容になっていた。
まだ御領主様に会うまで時間があるので、代官の提案で近くの食堂で食事をすることになった。
「それにしても驚きましたよ。素晴らしい手際でした。貴方がいなかったら村は全滅だったかもしれません。しかし村の被害は甚大です。代官といたしましては非常に頭が痛いです」
そそくさと食事をして皆で領主館に戻る。
報奨金の計算のために盗賊の死体の引き渡しを行った。
まもなく領主館の中へ案内されて、応接間へと案内される。
やがて領主様が現れて、全員が立ち上がって礼を尽くす。
「ああ、皆の者。楽にしてくれ。先触れから話は聞いている。大変だったな」
いかにも武人といった感じの御領主様が重苦しく言った。
「こちらの方のおかげで被害は最小限で済みました。不幸中の幸いです。つきましては報奨金を出したいと思うのですが」
「よかろう」
代官主導でサクサクと話が進んで、報奨金が金貨2枚ほど出ることとなった。
これは日本円でざっと二百万円といったところか。
「これからどうしますか?」
代官にそう聞かれた。
「出来れば、このまま街に滞在して資金を増やし、その後王都へ行ってみたいです」
「そうですか。わかりました。何かあればまた村を頼ってください」
俺は丁寧に、代官と御領主に挨拶をして館を辞した。
とうとう街に入れたぞ。
まだ午後二時くらいか。ここまでの時計の流れを見る限りでは、一日の時間の流れは地球とほぼ変わらないように見える。MAPで換金の店を検索したら、見つけることができた。換金用の金は、混ぜ物を入れてわざと純度を下げておいた。手近な店で50グラムの金板を5枚ほど出した。
「金貨十枚だ」
取引はあっさり終わった。所持金は金貨12枚、銀貨1枚大銅貨30枚、銅貨500枚。
広場の屋台で串焼きを買い、お勧めの宿を聞いた。「エルミアの泉」を紹介してもらう。
教えてもらった宿で部屋をとる。風呂屋で情報収集。
翌朝冒険者ギルドへ。魔法は王都でないと教えてもらえないらしい。治癒・回復魔法なら教会が教えてくれるらしい。
感想
盗賊を倒してようやく信頼をえて街に入る。報奨金をもらい、街のあれこれに慣れて魔法の習得を目指す。
1-11 魔法習得
教えてもらった教会はエルミアの街の外れにあった。ただボロいだけの建物だった。
「実は回復魔法を覚えたいのですが」
「取得に王都の本部で決められた額の金貨二十枚がかかりますが、よろしいですか」
金板四十枚を換金して金貨二百枚を手に入れる。
午後から教会を訪ねて、魔法の教授をお願いした。まずは骨折の人がやってきた。診察した神父さんが回復魔法を発動した。神父様の体の奥から魔力が発せられる気配が感じられた。ちゃんと魔法を覚えられたようだ。魔法という未知の存在でも、、あのセブンスセンスにかかれば、こういう感じになってしまうのかもしれない。
ステータスを見ると次のようだった。
全属性魔法
回復魔法 ヒール LV1
そして、スキル欄に「看取りLV1」があった。
これはさっき、セブンセンスのイコマが、魔法を覚える手順を魔法PCで起動可能なスキルとしてまとめてくれた物のようだ。
次に病気の患者が来た。
キュア¥LV1、クリヤブラッドLV1と取得できた。
お次の選手は毒にやられた方が来た。ポイズンヒールLV1取得。次に軽傷だが大量のけが人が次々とやってくる。エリアヒールLV1で範囲回復魔法を習得できた。
次に毒にやられた重傷者が北。ハイヒールLV1、ハイポイズンヒールLV1を習得。
次が重病人だハイキュアーLV1,ハイクリヤブラッドLV1習得。
次は怪我で症状が悪くて継続的に回復させないといけない人が北。リジェネ―トLV1習得。
食中毒で運び込まれた数人の人達がいる。エリアリジェネ―トLV1習得。
そして丁寧に礼を言ってから教会を後にした。
感想 治療魔法獲得。忙しい教会の現状と神父さんの素晴らしい治療魔法の数々に感動。毎日がこんな感じだと大変だと思う。
1-12 復興支援そして王都へ
本日で異世界七日目となった。
翌日、あの襲撃を受けた村へ向かって自前の足で走っていく。
顔見知りの村の人に挨拶しながら村中を見て回る。
そしてようやくダムル村長を見つけた。
「実は、街で回復魔法を覚えたのです。良ければ、村の皆さんの治療をと思いまして」
「ほう、それは凄い。何分にも治療費用や薬も高くて、なかなか充分な手当てが出来ておらんくてな」
そして動けないくらい酷い怪我人から診る話になった。
三十人ほどいた重症の者は、全て代官の屋敷に集められていた。まずはエリアヒール。そいつ一発で幾人かは起き上がれるようになった。
さすがに重傷者にはこれじゃ駄目か。
エリアハイヒール。魔法の種類が上位なだけで、やり方はエリアヒールとまったく一緒だからな。
そして、殆どの人が動けるようになったようなので、更にエリアハイヒールをを重ねがけする。これで重傷者は全員、無事に復活した。
「血を流しすぎているので、よく栄養をとってしっかりと休んでからだ。」
とりあえず栄養をと思ってカップスープを配る。エルミアの街で買ってきた、こちらの世界で作られたカップに一杯分作っておいたものをコピーして全員に配る。
使った回復魔法がそれぞれLV2に上がっていた。
今度は軽傷の人に集まってもらった。軽傷といっても動けるというだけで、火事が多かったので酷い火傷の人も多く、骨折や酷い裂傷に擦り傷切り傷多数の人もいた。今度は全部で五十人ほどか。こちらはエリアハイヒール一発でケリがついた。エリアハイヒールがLV3に上がった。
無事な人達の中にも、満足に食事を取ってない人がいるようなので炊き出しをする事にした。寸胴鍋にシチュー(レトルト)を山ほどぶち込んでおいた。
エルミアの街で買った、比較的柔らかかったパンもコピーして大量に出しておいた。
村人が集まったついでに、衣服などの見舞いの品も分配してもらった。
そして昼からは瓦礫の除去を手伝った。死者を除いた、元の人口の8割までの人員が負傷から完全に復旧できたのだ。
そして食料や天幕に毛布などの支援物資を出してから言った。
「じゃあ、俺はもう行くよ。」
たくさんの村の人たちが手を振ってくれた。
エルミアの街までは、気合を入れて走って帰ったので、日が暮れる前には無事に街の宿へ帰れた。
身体強化がLV4になっていた。
HPがLV4の2万HPまで上がった。
翌日、もう金貨二百枚分の金板を換えておいた。手持ち金貨は三百九十枚に、あと銀貨五十八枚と大銅貨三十枚及び銅貨四百五十枚。
教会を訪ね、神父様に王都へ向かう話をする。
知己のいる街はいいものだ。
もうこの世界に来て八日目になった。MAPで確認すると王都まで残り七〇〇キロメートル。
街道で車を飛ばし、馬車を見かける度に降りて走って駆け抜ける事をしていたら、身体強化がLV5になっていた。HPがLV5の5万HPになっている。
なんだかんだ言って、やはり車を使うと速い。一日で王都までの距離の半分くらいまで来てしまった。
今夜は近くに見える街で宿を取る事に決めた。だが、なんと予想外のことに街へ入れてくれなかった。
それから頑張って、もう一つ向こうの村まで行ったら、ぎりぎりで宿が取れた。スタンドで聞いてようやく宿にありついたのが夜の九時だ。
ようやく泊まれた宿で話を聞いたら、さっきの街の領主家で跡目争いをしていて、その加減で半村鎖状態なんだと。
異世界九日目になった。
王都までは後三百二十キロメートルちょいのところまで来た。俺は気合を入れて車で走った。
だが途中から、出会う馬車や荷車が増え過ぎて車が使い難い状態になった。しかたないので足で走るようにした。そしたら、なんと昼の一時には王都へ着いてしまった。
ここはかなり高い壁に囲まれていて、馬鹿でかい街だった。巨大城塞都市だ。何しろ街のかなり高い城壁が、地平線の彼方まで続いているようなのだ。もしかしたら、全長二十キロくらいあるのではないだろうか。
気が付くと向こうの列で騒ぎが起きていた。人が馬車にはねられてたようだ。
「おい、今から少し場を外すが、そこは俺の場所だからな」
「ちょっと、この場所をとっておいてくれ」
「うん。わかった」
俺は野次馬を押しのけて前へ出た。
「ハイヒール」
まだだやっぱり所詮はLV1だな。でも今のでLV2まであがった。
「ハイヒール」
まだだな。
「ハイヒール」
ようやくLVがLV3に上がった。そして子供がうっすらと目を開けた。まだ治療が要るな。
「ハイヒール」
子供が起き上がり泣き出して母親にしがみついた。
母親が必死にお礼を言ってくれたが、少し困っているようだ。
たぶん治療費を払うためのお金がないのだろう。
「お金はいらない。俺が勝手にしたことだ。」
ついでに、いくらか食い物を渡しておいた。
前に並んでいた親子が入門出来ずに撥ねられてしまった。
「身分証がないので並ぶ列が違う」
門番の手に銀貨(1万円)を握りこませた。親子は無事通り抜けられた。
感想
けが人を回復させたり、列を間違えた親子のために見張りに銀貨を握らせたりの大活躍。心がほっとする。
第2章 王都編
2-1 王都の冒険者ギルドにて
宿を適当に見つけた。一泊銀貨1枚だった。一万円相当。
異世界10日目でついに王都にたどり着いた。換金所で金貨1千枚相当を換金。所持金は金貨1390枚銀貨55枚大銅貨28枚銅貨420枚当座の目標は攻撃魔法の習得ミスリル、オリハルコンなどの魔法金属を手に入れる事だ。
そういうわけで、今日は王都の冒険者ギルドを覗いてみることにした。冒険者ギルドは、三重防壁構造をした王都の真ん中の壁の西側通用門付近、最外側の一般区画となる部分に在る。冒険者ギルドの窓口で魔法を習いたいことを伝えると、魔道具で魔法適正を調べる、正方形の金属の台座に小さな水晶が乗った魔道具が用意された。指導料は魔法1つにつき金貨10枚から百枚。お勧めはエアカッター、エアバレット、アイスランス、サンダーボール、アースランス、ストーンバレット、マジックアロー。ファイヤーボール。ファスト、スロウ、アローブースト、アタック・ストロング、ハード・インパクト。代金金貨百五十枚払う。ミスリルナイフを大金貨二十枚で購入。魔法習得のため演習場に行く。魔法は順番に見せてもらった。全て習得。各属性のストーム系が5種も覚えた。武器、防具、ポーションを一通り揃える。宿に戻ってからミスリルをコピーしてMPLV8にMPのLVが上がってLV8になった。MPが3436億MP。HPは10万HPになった。
感想
魔法、大量の武器、防具、道具を手に入れる。目標達成でうれしい。
2-2 オリハルコン 異世界十一日目。
本日も真っ先にギルドへと向かった。掲示板にポーション納入のクエストがあったのを見つけたので、上級ヒールポーション二百本の納入を希望したからだ。だがそれを受付でわたしたら、奥の部屋へ通されてしまった。
しばらく待たされてから、ギルマスのアーモンが現れた。
「あのポーションはどこで手に入れた?」
話は平行線に至り、納入したポーションを回収してギルドを出る。
そしてそこからそう遠くない大通りに面した武器屋「ゴブソンの武器屋」でオリハルコンの剣を発見。コピーに成功した。ミスリルの剣を10本売った。MPが貯まるまで身体強化スキルのレベル上げをしてLV7にHPもLV7二十万HPMPのレべルも上がり八十八兆MPになった。
感想 オリハルコンGET♪HPとMPも上がる。とんでもない数値になる。
コメント